奥州市議会 > 2010-09-01 >
09月01日-03号

  • "愛媛県"(/)
ツイート シェア
  1. 奥州市議会 2010-09-01
    09月01日-03号


    取得元: 奥州市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-09
    平成22年  9月 定例会(第3回)          平成22年第3回奥州市議会定例会会議録(第3号)議事日程第3号                      平成22年9月1日(水)午前10時開議第1 一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件第1 一般質問---------------------------------------出席議員(34名)      議長  渡辺 忠君      1番  菅原由和君      2番  飯坂一也君      3番  三ノ宮 治君      4番  高橋政一君      5番  佐藤郁夫君      6番  菊地孝男君      7番  千葉正文君      8番  菅原 哲君      9番  関 笙子君      10番  加藤 清君      11番  阿部加代子君      12番  中西秀俊君      13番  小野寺隆夫君      14番  菅原 明君      15番  三宅正克君      16番  菊池堅太郎君      17番  小野寺 重君      18番  千葉悟郎君      19番  藤田慶則君      20番  今野裕文君      21番  佐藤邦夫君      22番  及川梅男君      23番  内田和良君      24番  千田美津子君      26番  遠藤 敏君      27番  佐藤修孝君      28番  菊池嘉穂君      29番  新田久治君      30番  小野幸宣君      31番  佐藤克夫君      32番  高橋瑞男君      33番  及川善男君      34番  中澤俊明君---------------------------------------欠席議員(0名)---------------------------------------説明のための出席者    市長                   小沢昌記君    監査委員                 及川新太君    教育委員長                千葉啓一君    教育長                  佐藤孝守君    病院事業管理者              大川正裕君    水沢総合支所長兼参事兼競馬対策室長    粟野金見君    江刺総合支所長              菊地隆一君    前沢総合支所長              小野寺三夫君    胆沢総合支所長              高橋民雄君    衣川総合支所長              吉田裕悦君    総合政策部長               菊池賢一君    総務部長                 鈴木龍司君    市民環境部長               及川 潔君    商工観光部長               菊池 寛君    農林部長                 及川喜三郎君    健康福祉部長               大沼一裕君    都市整備部長               及川文男君    水道部長                 小野寺正幸君    教育委員会教育部長            三浦信子君    会計管理者                岩渕敏朗君    政策企画課長               高梨 稔君    総務課長                 小澤 謙君    財政課長                 佐藤 洋君    まちづくり推進課長兼少子・人口対策室長  佐々木與市君    生活環境長                鈴木圭一君    消防防災課長               千葉敏明君    商業観光課長中心市街地活性化対策室長  三宅信雄君    農政課長兼農商工連携推進室長       伊藤嘉啓君    長寿社会課長               大内 薫君---------------------------------------事務局職員出席者    事務局長                 岩渕秀夫君    事務局次長                佐賀克也君    総務係長                 佐々木文恵君    議事調査係長               菅原幸一君    主任                   岩淵明美君    主任                   今野美享君---------------------------------------議事               午前10時 開議 ○議長(渡辺忠君) おはようございます。 きょうも暑くなるようでございますので、上着を取ることを許可いたします。 出席議員は定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の会議は、議事日程第3号をもって進めます。--------------------------------------- ○議長(渡辺忠君) 日程第1、一般質問を行います。 通告順により順次質問を許します。初めに、11番阿部加代子さん。     〔11番阿部加代子君質問席へ移動〕 ◆11番(阿部加代子君) 11番阿部加代子です。 通告に従い、1件目、人と動物との共生社会の構築について、2件目、国民健康保険保険者証等偽造防止について、3件目、子育て支援施設の充実について、市長に質問をいたします。 初めに、1件目、人と動物(犬・猫等)との共生社会の構築についてお伺いをいたします。 全国的なペットブームの中で、動物への虐待報道やペット葬祭業者による遺骨不法投棄が報道されるなど、社会問題にもなりました。鳴き声やふん尿の問題、ふえ過ぎる犬・猫など、大変身近な問題となっております。このようなペットの問題は、すべて人間の動物への無理解、動物生態に対する無知、飼い主の不適切な飼育、商業主義の悪質販売者の出現、行政の不適切な施策等に起因しております。少子化やひとり暮らしの世帯の増加に伴い、ペットに人生のパートナーとしての心の癒しを求める人々がふえ、ペットは家族の一員との認識が定着しております。 しかし、その陰で、日本では年間28万匹もの犬・猫が殺傷処分されていることを、市民の皆様はご存じでしょうか。今、こうしている間にも、1日約800匹もの犬・猫が殺処分により命を失っているのです。すべて税金によって賄われております。 この夏休み、岩手県の課題図書の1冊に推薦をされている「犬たちをおくる日-この命、灰になるために生まれてきたんじゃない(今西乃子著作)」を読ませていただきました。愛媛県動物愛護センターで、犬たちの命を救うため日々奮闘している職員の日常を追いながら、命の大切さ、重さを考えさせられる1冊でした。 私たちは、人とペットが共生できる命に優しい地域を築くため、捨て犬・猫殺処分ゼロを目指すため、奥州市として何らかの対策が必要と考えます。 以下の点について、市長にお伺いをいたします。 1、奥州市内の犬・猫の状況についてお伺いいたします。 2、奥州市管内の殺処分の状況についてお伺いいたします。 3、岩手県動物愛護管理推進計画に沿った市の施策、取り組みについてお伺いいたします。 1件目の質問を終わります。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 阿部加代子議員のご質問にお答えいたします。 まず、奥州市における犬・猫の飼育状況についてでありますが、犬につきましては、平成22年3月31日現在で7,299頭であります。猫については登録制度がございませんので、どの程度飼育されているのか、把握し切れていないのが実情でございます。 次に、奥州保健所における平成21年度の犬及び猫の引き取りなどの状況についてでありますが、野良犬等の捕獲数が73頭、飼えなくなったなどの理由による取引数が33頭で、合計106頭を収容しておりますが、このうち飼い主が見つかって返還した数が29頭、新たな飼い主に譲渡できた数が35頭、処分数が42頭となっております。 猫は、引き取りが330匹で、このうち譲渡が6匹、処分が324匹となっております。 また、岩手県の動物愛護及び管理に関する条例第5条には、飼い主の責務として、適正な飼養、終生飼養、飼養が困難になった場合は、新たな飼い主を見つけることや、不幸な命をふやさないための不妊去勢手術などの措置が規定され、これらに関する啓発などが行われております。 県内の民間での活動といたしましては、昨年度、社団法人日本動物福祉協会の主催による「捨て犬・捨て猫防止キャンペーン」の中で、社団法人岩手獣医師会の後援により、不妊去勢手術費用の助成や、飼い主のいない犬や猫を預かって里親を探すなどの取り組みをしている団体があると伺っております。 市の取り組みといたしましては、保健所や岩手県獣医師会水沢支会、金ケ崎町との連携により、動物愛護フェスティバルを9月の動物愛護週間にあわせて開催しており、ことしは9月19日にコープAterui前で開催し、同じく伴侶動物慰霊祭を水沢区の安養寺において9月29日に、それぞれ開催する予定としております。このほか、11月にも犬の飼い方教室の開催を予定しております。これらのイベントや広報、ホームページなどさまざまな媒体を通じて、飼い主へ終生飼養及び飼い方のマナーの向上の啓発を行っているところでございます。 冒頭にもご説明いたしましたとおり、保健所での引き取りが後を絶たない状況でありますので、今後も飼い主の皆様に対する啓発にしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) 11番阿部加代子です。ありがとうございました。 奥州市管内におきましても犬とか猫の殺傷処分が行われているということでありまして、この数字も300匹、400匹近い殺傷処分が行われているということで、大変ショックを受けておりますけれども、熊本市の取り組みについて若干紹介させていただきますけれども、熊本市の動物愛護センターでありますが、年間1,500匹もの動物が殺傷処分をされていたそうなんですけれども、譲渡会のこととか、また市民に対する啓蒙等を行った結果、年間数匹までに激減をしたということで、熊本市さんの取り組みが大変注目をされているところでありますけれども、やはり奥州市としても、殺処分を少なくしていく、動物の命を大切にすることはすべての命を大切にすることにもつながってまいりますので、ぜひその取り組みを進めていただきたいというふうに思います。 岩手県におきまして動物愛護管理推進計画というものがございまして、市長もご存じだとは思いますけれども、その中に具体的な施策というところで、動物の愛護、管理に関する普及の啓発とか、動物の適正な飼養及び保管の推進、また施策の具体的体制の整備、施策の推進ということで、計画がきちんとあるわけです。県ではありますけれども、奥州市としてはこれらの計画、県の計画を受けての計画がありませんので、ぜひ計画を立てていただいて、300匹、400匹に及びます殺処分が少なくなるような、そういう取り組みをしていかなければならないというふうに思いますので、計画の策定についてどのようにお考えになっているのかお伺いをいたします。 また、獣医師会のほうで避妊に対する補助を行って、手術等も行っていただいているようなんですけれども、大変少ない数でありまして、やはり動物をかわいいから飼いました、しかし子供がたくさん産まれてきますので飼えないというような状況で捨てられてしまう、そういう犬や猫、また野良犬等の犬や猫がふえていかないためにも、避妊に対する市独自の補助を考えていくべきではないか、例えば獣医師会さんのほうに支援をする形でもいいかと思いますので、そのような方法はとられないのかお伺いをしたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 議員おっしゃるとおり、本当に何というか、殺処分をされるためにこの世に産まれてきた命ではないのに、たまたま飼い主の都合によって、それぞれの動物の命がその動物たちの意思とは関係ない形の中で葬られてしまうということは、これはあってはならないことだなと思いますし、人間だけが存在するということではなく、すべての動物、あるいは植物も含めてですけれども、そういうものがあって初めて世の中が構成されているという大きな観点からすれば、人間のひとりよがりによって失われるべき命ではないものが殺されてしまう、ないしは失われてしまうというのは大変残念なことだというふうに、私も強く認識をしているところであります。ひとえに、これは特に飼い主である人間のペットに対する、あるいは動物に対するその意識の希薄さによって引き起こっているものであろうというふうに思います。 登壇してもお話しいたしましたように、市といたしましては、まずは動物を飼われる方々には同じ命を同じ時間、ともに過ごしていくんだというふうな、そういうふうな慈しみの心を持って、ひとりよがりではなく、ともに生きるというふうな思いを醸成していく、ないしは啓発していく作業に最も力を入れていくべきであろうというふうに思っております。 ご質問の県計画について、奥州市でも独自計画を考えて、さらに推進すべきではないかというふうなご質問でございましたけれども、この計画自体に関しましては、まずは冒頭に申し上げましたように、市民の皆さんないしは飼い主の皆さんの意識啓発を行うということが最も効果的であり、最も重要な部分であろうと思います。今、計画をすぐにということではございませんけれども、さまざまな形で啓発作業する中で、そういうふうな専門の獣医師さんとか、さまざまな愛護関係の方々のご意見なども聞きながら、より効果的な市としての対応ができないかというふうな部分を第一義に、しっかりと検討してまいりたいというふうに思っております。 また、獣医師会への不妊等々への助成ということでございます。今までも、獣医師会とは一定の連携をとりながら対応しているところでございます。単費による部分となれば、おのずとその制約が出てきますし、どの程度でいいのかというふうな部分も含めて、あるべき方向であるということはそのとおりでございますが、この件につきましては、獣医師会水沢支会の皆様などと十分協議をしながら、どうあるべきかと言えば、去勢するということ自体も、果たしてもっと大きな立場から言えばどうなのかというふうな思いもするわけでありますけれども、必要最低限の部分としてどうしても必要だというところも認識しているわけでございますので、今、申し上げましたように、関係する方々と十分協議しながら検討してまいりたいというふうに思っております。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) 11番阿部加代子です。ありがとうございました。 県の計画に沿った市の計画よりも、まずその市民の意識啓発が大切であるということはよくわかるわけなんですけれども、じゃ、その意識啓発を具体的な取り組みとしてどのように行われていくのかお伺いをしたいと思います。 市民の意識啓発と言いましても、本当に奥州市内でもたくさん犬を飼われている方がいらっしゃいます。犬は登録制になっておりますので、飼い主がある程度特定をされるわけでございますが、猫に関しましては登録制がありませんので、どこでどのくらい猫がいるのかというのは、全然わからない状況であります。しかし、市民の意識啓発をしていくというのは大変重要なことでありますので、具体的にどのような方法で行われるのかお伺いをしたいと思います。 すぐすぐ奥州市の計画をつくることにはならないというようなご答弁だったんですけれども、県には立派な計画がございまして、数値目標なんかも出されているわけなんですけれども、これは県だけでできるわけではありませんで、各市町村が具体的にこの計画に沿って進めていかないと、県でも約2,500匹ぐらいの犬や猫が殺傷処分を毎年されている状況にありますので、やはり一番市民と近くにいる市がその計画をきちんと立てて、県の数値目標に到達するように行っていかなければならないと思いますけれども、まずは意識啓発についてどのように取り組みをされるのかお伺いをしたいと思います。 それから、避妊手術への補助なんですけれども、獣医師会の皆様とぜひお話し合いを持っていただきまして、あるべき取り組み、補助のあり方とか、ぜひ獣医師会の皆様とお話をしていただきながら進めていただきたいと思います。 先ほど市長のほうから、去勢するのはいかがなものかというようなお話がありましたけれども、子猫や子犬が産まれても飼えないという状況がわかっているのであれば、そのように去勢をするというのは、飼い主として当然のことだと思います。産まれてしまってから育てられないので捨ててしまうとか、または殺してしまうというようなことがないように取り組みをすべきだというふうに考えますので、もうちょっとその点についてお伺いをしたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) まず、具体的にはということで、私とすれば実効性のある計画であってこそ、その計画の意味があると思っております。計画を立てて、それですべてがうまくいくなどということは、あり得ないというふうなことであります。 ですから、まず具体的にはというご質問でございますので、これは例えばこうこうであるとか、ホームページ、さまざまな機会を通じて、奥州市における殺処分の状況、飼われ方等々ということを、まずは現状認識していただくということから始めていかなければならない。その部分において、であれば、やはり計画をしっかり立てて、そしてみんなでそれを守るような形を持っていこうというふうな意識醸成こそが、まずは必要ではないかというふうに考えているところでございます。至らざる部分はあろうかと思いますけれども、このご質問を契機にまずは状況をご理解いただく、そしてその上でどうしていけばいいのかというふうなところについて、一つ一つ考える意識の芽を広げていきたいというふうに考えているところでございます。市としての計画を立てること自体にちゅうちょしているということではございません。 また、避妊の部分についてでありますけれども、これはもちろんそのとおり、議員おっしゃるとおりでございますけれども、であるとすれば、飼い主の方々にそういうふうな状況、不妊の手術もあるということについての広報ももちろんしていかなければならないのでありますけれども、その部分も含めて、私とすれば、その覚悟を持って飼育していくのだというふうな部分を、とりあえず、今、命としてあるその動物だけの部分でいいのかというふうな部分について申し上げた部分でございまして、何というのか、そのこと自体を否定するものでは決してないのです。ただ、飼われる方は生き物であれば当然そこには子孫ができていく、子供ができていくと、そこまでの責任を持って飼っていただきたいというふうな意識も、これは重要ではないかということでございまして、万やむを得ないというふうな部分も含めて、当然とられるべき処置であろうと思いますけれども、そのような意味でお話をさせていただいたのでございますので、ご理解をお願いいたします。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) ありがとうございました。 まずは、現状を認識していただくということで、1件目の質問を終わらせていただきまして、2件目に移らせていただきます。 次に、国民健康保険保険者証等偽造防止対策について、市長にお伺いをいたします。 保険証は、本来医療機関で受診する際に国民健康保険に加入していることを証明するものです。しかし、運転免許証住民基本台帳カードを所有しない市民の間では、本人確認の身分証明証として広く利用されております。 ところが、近年のカラーコピーの技術の向上を背景に、保険証が巧みに偽造された上で、金融機関の口座開設や携帯電話購入時の契約に利用される事件が発生しております。悪質な偽造によって入手された架空口座や携帯電話は転売を経て、一般市民を標的にした振り込め詐欺や金融機関からの借入金をだましとったりするなどの犯罪に結びつく危険性が指摘されており、社会問題になっております。他市では、子供さんがどういうわけか転売された携帯電話の持ち主にされていまい、多額の電話代の請求が来て大変なご苦労をされたとのお話を聞いております。 東京都内では、平成17年9月より杉並区で初導入して、現在12区に拡大し、神奈川県鎌倉市、静岡県袋井市、兵庫県明石市などでホログラムつき保険者証を導入されているようです。導入後、偽造に関しての問い合わせがなくなり、非常に効果があったと聞いております。以下の点についてお伺いいたします。 1、当市の被保険者証等偽造防止対策の現状についてお伺いいたします。 2、偽造防止対策としてホログラムつき保険者証発行についてのお考えをお伺いいたします。 2件目といたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 阿部加代子議員の2件目のご質問、保険証の偽造防止対策についてお答えをいたします。 全般的な偽造防止対策として使われている技術には、特殊インクや特殊紙の使用、ホログラムや地紋の使用、裸眼では線に見えますが、拡大すると文字で構成されているマイクロライン印刷などがあります。 奥州市国民健康保険の保険証には、コピーすると「複写」の文字が浮かび上がるコピー制御を取り入れ、カラーコピーによる偽造防止対策をしております。また、岩手県後期高齢者医療広域連合で発行する保険証にも、コピーをすると「複写無効」の文字が浮かび上がるような偽造防止がなされております。当市とすれば、このような形の対策を講じているというところでございます。 また、2つ目のご質問にありましたホログラムにつきましては、特にも偽造防止の効果が非常に高いと言われておりますし、そのように認識しております。クレジットカードや一万円札に利用されているのもご案内のとおりでございます。保険証の偽造防止としては、いろいろさまざまな自治体で導入されてきており、効果は高いものと思われます。ただし、用紙代が割高になるという点が問題です。幸いにも、現状においては奥州市には保険証の偽造に関しての問い合わせは来ておりませんが、やはり対策を講じていかなければならないという認識は持っておりますので、今後においては保険証の素材、それから印刷技術、それから作製費用等について情報収集を図りながら、よりよい方法がないか積極的に検討してまいりたい、このように考えております。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) 11番阿部加代子です。ありがとうございました。 今、奥州市で発行されております保険証なんですけれども、私も持っておりますが、大変ぺらぺらで、民間の保険証だときちんとカード式でございまして、確かに国民健康保険証は毎年変わりますので、そういう素材にならざるを得ないのかなとは思いますけれども、やはり偽造防止対策をきっちりととっていかないと、どこでどのように市民が犯罪に巻き込まれるかわからないということであります。 つい最近も、振り込め詐欺に奥州市民が遭ったというような情報も得ておりまして、しかも金額が相当な額だったというようなことも聞いておりますので、やはり市民の生活や財産を守ることが行政に課された重大な責務であるというふうに思いますので、市民が犯罪に巻き込まれないように、奥州市としては、その取り組みをきちんと行っていくべきだというふうに思います。 市長のご答弁の中に、奥州市では偽造に関してのお問い合わせがないということなんですけれども、今回私が一般質問をしておりますので、偽造に関して問い合わせがあるなしにかかわらず、市民の生活や財産を守っていくという、そういう取り組みをぜひお願いしたいというふうに思います。 それで、用紙代が割高になるというようなお話でしたけれども、導入をされました先進地のほうに、担当者のほうに問い合わせをいたしてみました。そうすると、1枚数円で済むというようなことも聞いております。確かに自治体の数とかによっては違ってくるのかもしれませんけれども、そのくらいの費用でできるというようなことであります。 常に偽造防止対策はきちんととっていかないと、犯罪とのイタチごっこだというふうに思いますけれども、市民の生活、財産を守る奥州市であっていただきたいというふうに思いますし、また、何か問題が起こってからでは遅いというふうに思いますので、もう一度市長のお考えをお伺いしたいと思います。
    ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 登壇しても申し上げましたが、幸い問い合わせがないと言いましたけれども、私とすれば、この防止対策については強い関心を寄せているというふうにお答えを申し上げました。 用紙代がかかるということですね、発行が毎年のように入れかわっていくということではございまして、これは私どもの試算なんですけれども、ある程度システムができれば、まさに10円以内でということでございますけれども、いずれ初期投資等々考えると、やはり当初については四、五百万円、そしてその都度の部分ということでございますので、結構長期にわたってはその部分での負担は決して、単位は小さいけれども長期にわたってはということでございます。しかしながら、このことによって未然に防げる事故であれば、これはそれなりの効果として考えられるのかなというふうにも理解できます。 いずれ、登壇して申し上げたとおりのことを繰り返し申し上げて大変恐縮でございますけれども、認識は強く持っておりますので、市民にとってどのような形が一番いいのかというふうな観点から、しっかりと研究し、対応をしていくための努力を重ねてまいりたいというふうに思います。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) ありがとうございました。 研究と検討を重ねていただくということでございますので、2件目の質問を終わり、3件目に移らせていただきます。 3件目、子育て支援施設の拡充についてお伺いいたします。 子育て支援施設の1期工事が終了し、一部が9月より開園となります。いずみ保育園は、今まで3歳までの受け入れが5歳まで拡充をされます。また、2期工事終了で療育教室の南教室が移設され、手狭だった教室が広くなり、期待をされております。特に、療育教室では体制の充実が求められております。何らかの発達障がいを持つ子供さんは20人に一人とも言われており、早期発見、早期治療がその子の人生に大きく影響してまいります。 奥州市では、3歳児健診から就学時健診までの間、定診がなく、小学校入学となります。園訪問、保護者からの相談で、グレーゾーンの子供たちの対応を、療育体制を充実させることで、スムーズに就学を迎えられるよう支援していかなければなりません。以下の点についてお伺いいたします。 1、奥州市では、常勤で臨床心理技師の配置をしていただいております。その他の専門職、特に作業療法士OT、理学療法士PT、言語療法士などの配置についてどのようにお考えかお伺いいたします。 2、子供を遊ばせる施設について、市民の方よりよく質問をされます。奥州市では冬の期間が長いので、全天候型で小学校の低学年ぐらいまでが遊べる場所が欲しいということです。例えば、メイプルのエンゼルプラザは乳幼児が対象ですし、もう少し大きくなった子供たちを対象に、例えばふわふわパンダのように大きな遊具を置き、遊ばせる施設の設置についてお伺いをいたします。 3、子育て環境の充実の一つとして、子供を連れてお出かけをする際のおむつがえや授乳のために気軽に利用できるよう環境整備を図る事業、赤ちゃんの駅の設置についてお伺いをいたします。この事業は、平成17年、板橋区の職員の提案で実現したものです。優良事業報償制度で優秀賞を受賞し、平成18年6月から開始となり、平成22年6月現在135カ所で実施され、全国にも広がりを見せております。岩手県では、いわてiサポート・ファミリー・サービス事業、ほのぼの店との連携を図りながら、子育て中の保護者を孤独にさせない、子供がいても気楽に出かけられる環境づくりとして、奥州市でも取り組んでいただけないかお伺いいたします。 3件目の質問といたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 阿部議員の3件目のご質問にお答えをいたします。 まず、療育体制の充実についてでございますが、現在、水沢区田小路に子育て支援施設を建設しており、8月に1期工事のいずみ保育園部分が完成し、これから療育部門を2期工事として進めようとしております。その療育部門といたしましては、母子通園しながら療育を行う幼児教室と、子供の発達に関する相談や検査、地域の関係機関への支援を行う発達支援センターを設置することとしております。 体制ですが、幼児教室は、主に水沢区の子供たちを対象にする療育とすることとして、児童療育指導士を配置いたします。また一方、発達支援センターは発達に関する相談、検査、市内保育園、幼稚園の訪問、母子保健との連携、他機関との連携など、全市的展開を目指すこととしております。支援を行う体制としては、保健師と助産師が他業務も兼ねながら、また、臨床心理技師、児童療育指導員が発達支援を主業務として常駐するとともに、外部からも療育の指導、相談に当たっていただく専門職として、作業療法士、音楽療法士、言語療法士、相談支援専門員などを定期的あるいは随時お願いして、体制を整備していくこととしております。 2点目のご質問でございます。 遊具等の充実でございますが、エンゼルプラザのような子育て支援施設センターは市内10カ所にありますが、どちらかというと、議員ご指摘のとおり乳幼児向けの状況となっております。ご提案された幼児期後半あるいは小学校の低学年という活発な子供さん方が好んで利用できるような大型遊具については、市内では屋外施設として公園などに何カ所かありますが、全天候あるいは屋内の施設としては、市では設置してございません。また、ほかの部分でもなかなかそういうふうな先進事例、他市においてもなかなか見つけられないなというのが現状でございます。今後、空き施設の有効活用など、可能性も含めて何とかできないものかということを検討してまいりたいと、このように考えております。 最後に、赤ちゃんの駅の設置についてであります。 東京都板橋区が発案とされておりますが、乳幼児を抱える保護者のお出かけのサポートとして、外出時におむつがえや授乳などに立ち寄ることができるスペースを赤ちゃんの駅と呼び、これが全国の県や市町村においても採用されているようであります。 岩手県では、子育ての応援i・ファミリー・サポート事業として、割引や特典、お出かけの配慮に協賛いただけるところに専用のステッカーを張り出していただくというふうな形で、事業が展開されております。奥州市の協賛店舗、企業も現在79となっているようですけれども、おむつがえや授乳など、赤ちゃんの駅と同様の利用を可能としている施設や事業所は、9カ所にとどまっております。 当市の子育て環境ナンバーワンプランとしても、市内に託児コーナーの設置を目標に掲げておりますことから、乳幼児を連れて心配なく出かけられる条件を丁寧に整備するという意味で、市民からも認知度の高い、要するにいろいろな形でご理解いただける、そのような利用しやすい体制をしっかりと整えてまいりたいと、このように考えております。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) 11番阿部加代子です。ありがとうございました。 何点か再質問させていただきます。 まず、最初の質問にありました療育の関係ですけれども、例えば園訪問をしていただいたり、そのようにしていきますと、今のご答弁の人員ではちょっと心配かなというふうに思います。それで、様子を見ながらというお話でございましたので、例えば様子を見ていただいて、例えば人員体制がもう少し厚いほうがいいなということになったときに、専門職の方々をふやしていただく、または常勤にしていただけるのかどうか、その辺の体制をお伺いしたいと思います。 それから、2点目にありました子供を遊ばせる場所なんですけれども、子育てナンバーワンプランの最後に、子育て支援に関するアンケートがついているんですけれども、それを見させていただきますと、就学前児童の調査を行ったのと同じく「子どもを遊ばせる場所や必要な設備がない」というのが最も多いお答えでございまして、やはり「子どもと外出する際、困ったことはありますか」との回答の中に、「子どもを遊ばせる場所がない。また設備がない」というようなことがアンケートでも浮き上がってきておりますので、やはり奥州市の中に乳幼児を対象のところは何カ所かあるわけなんですけれども、やはりもう少し活発になった子どもさんを遊ばせる、そういう施設の設置を、市長のご答弁でも前向きに、例えば空き施設を利用してとかというご答弁をいただいたわけなんですけれども、ぜひ積極的に検討していただいて、そういう少し活発になったお子さんの遊べるところを確保していただきたいというふうに思いますので、もう一度、その点お伺いをしたいと思います。 それから、赤ちゃんの駅の設置についてなんですけれども、これも子育て環境ナンバーワンを目指す奥州市としまして、何カ所かあるんです、確かに。おむつがえができたり授乳ができるところがあるんですけれども、周知がされていないということもありますし、もっと広がっていただきたいなというふうに思います。 県のほうでもたったの9カ所しか、この広い奥州市にそういうところがないということでは、ちょっとなかなかお出かけしようと思っても、子どもを持っている保護者の方々は引いてしまうのかな、出ていきづらいのかなというふうに思いますので、例えば奥州市独自のマークを検討していただいて、市民に周知をしていただくのも一つだと思いますし、例えばそのマークを公募してもいいと思いますし、ネーミングなんかも公募してみてはいかがかなというふうに思いますので、その点もう一度お伺いをしたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) ありがとうございます。 療育発達支援、療育体制の充実、そして発達支援の部分について、最終的に奥州市としては、議員ご指摘のとおり、園訪問をして、5歳児の健診というのを定期的にしたほうがいいという一方、実はふだんの生活の中で5歳児、ちょうど園に行って周りの皆さんと比べながら見るというのは、実は非常に効果的と言われておりまして、園訪問による5歳児健診にかわるというか、丁寧な状況をつくっていくことが望ましいというふうに思っております。 そのような意味においても、今、申し上げたような部分ではいささか足らないのではないかというふうなことでございますが、今回オール奥州として発達支援をサポートしていこうということの際立った取り組みでございまして、まずは当初もくろんだ部分で始めてみて、やはり予定どおりの効果が発揮できない、あるいはさらにこれを人員増強することによって、より深い対応ができるというふうな部分、まずは検証させていただいて、それで不足する部分があれば対応していくというふうな方向で考えているところでございます。 子供施設につきましては、全くそのとおり、今、準備されているところはないわけでございます。空き施設で本当にいいのか、結局乳幼児が終わって学校に上がる前と一、二年生ということでありましょうから、親御さんと一緒にというふうな部分になると、ただ単に空き施設といって子供たちをそこに預けてということではなく、やはり一定の管理であるとか安全確保というふうなものも必要になってくると思いますし、余り何というかいろいろな器具というふうな部分で子供たちが喜んで遊べるような器具とすれば、ある意味では危険度も少し高いものがあったりということで、実はこのことのご質問は前段でいただいたときに私なりにいろいろ考えたんですけれども、おっしゃられる意味がすごくよくわかるけれども、実際ご利用していただき、お子さんにも安全、お母様というか保護者の皆さんにも安心というふうな部分の施設で、なおかつ365日、日中だけになりますけれども、全天候でということとすると、どういうふうな状況がいいのかということで、実は部内でも少し検討してもらったんですけれども、すぐすぐこれだというふうなものがちょっと導き出せないなというのが現状でした。 ただ、今もご答弁申し上げましたとおり、やはり奥州市としてもそのような施設があってもいいのではないかと。ただし、その設置に当たっては、費用対効果と言ったらあれですけれども、やはり余り大きな予算をかけることもできないので、その辺のところについて十分に検討してまいりたいと思いますので、検討の時間をちょうだいいたしたいというふうに思うところでございます。 赤ちゃんの駅については、確かに岩手県でしているところのi・ファミリー・サポート事業とすれば、9カ所ということでございます。その9カ所についても、認知がいささか低いということでございます。 市として独自のということでございますので、これは今、ご質問をお伺いしながらふと思ったんですけれども、例えば市役所に来ていただいて、実は、と言っていただければ、その対応はできるのです。しかしながら、そういうことを聞いていいのかしらということで、何というか、ちゅうちょされている方も少なからずいらっしゃるのかなということとして考えれば、市内にある公共施設にそういうステッカーを張るなり、あと職員の皆さんに、そういう対応をしましょうねと言うことだけで、一気に何十カ所というふうな施設が、地区センターに行ったり、公民館に行ったり、市役所、総合支所に行けば、そういうふうな場所を貸してくれるんだよということをわかっていただくだけでも一気に広まるのだなというふうに思ったところでございますので、今のご指摘を踏まえて、できることは早速対応してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(渡辺忠君) 11番阿部加代子さん。 ◆11番(阿部加代子君) ありがとうございました。11番阿部加代子です。 まず、専門職の体制に関しましては、検討していただいてということでございましたし、また、子供の遊び場の件に関しましては、確かに安全の管理とかそういう部分に配慮していかなければならないということでありますので、ですけれども、そういう施設が奥州市内に1カ所もないというのは、今後子育てをする上で、やはり子供を遊ばせたいという、冬であっても雨であっても遊ばせたいということで、市民からのお問い合わせでは全区からあるんです。江刺からも、前沢からも、衣川からもありまして、どこか遊ばせるところはないんでしょうかということで、よく聞かれる市民からのご質問ですので、ぜひ、そんなにお金をかけられるわけでもないんですけれども、そのような施設をぜひ検討していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 赤ちゃんの駅に関してなんですけれども、これは、すぐにでもできる事業だというふうに思われます。とにかく、おむつがえができる、また授乳ができる、ポットの1つぐらい置いていていただければいいのかなというふうにも思いますし、どこがそういうことをやっているのか、どこに行けばいいのかということを、例えば今回板橋区が発案されたということで、板橋区のほうに視察に行かせていただいたんですけれども、区の職員のアイデアでマークをきちっと作製されていまして、その赤ちゃんの駅には旗が掲げられておりました。ここに行けばおむつがえができるとか、少し子どもに授乳させることができるとか、これは一目瞭然でわかるんです。 そういう施設を、奥州市もそんなにお金をかけなくても、すぐ取り組める事業だというふうに思いますので、ぜひ市民の周知のためにもマークや名称などを、県のファミリー・サービス事業との兼ね合いもありますけれども、取り組んでいただけないのか、もう一度お伺いをして終わりたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 赤ちゃんの駅の部分につきましては、先ほどここからも答弁いたしましたとおり、できることは1つの例として今思ったことを話しましたけれども、もう少し範囲を広げれば、さらに何ていうか、いろいろなアイデアは出てくるのかなというふうに思っております。 特に、ご指摘のPRの不足による利用度が上がらないというふうなことでは、何ともならないということでございますので、今、議員のほうからはマークの作製や名称というふうなものにおいて、それをきっかけに全市的に大きく認知していただくような状況をつくるべきだということでございますので、例えば公共施設でもそういうふうな対応をしていますよというふうなものを一つきっかけにして、同時にマーク、名称、何とかスペースとか、よくわかりませんけれども、皆さんに親しまれるような愛称ないしはデザインを、早急に考えてまいりたいというふうに思います。 ○議長(渡辺忠君) 11時5分まで休憩いたします。               午前10時48分 休憩---------------------------------------               午前11時5分 再開 ○議長(渡辺忠君) 再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を行います。次、19番藤田慶則君。     〔19番藤田慶則君質問席へ移動〕 ◆19番(藤田慶則君) 私は、さきに通告しておりました緊急告知ラジオについてと、口蹄疫対策についての2点について、市長にお伺いをいたします。 1点目は、緊急告知ラジオについてであります。 この件につきましては、昨日、三宅議員も聞いておられます。学校教育においては予習・復習が大事と教えられました。復習の意味も込めて、ダブる質問もあるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。 きょう、9月1日は防災の日でありますが、1968年、昭和43年5月16日午前9時4分ごろ、北海道十勝沖地震が発生しました。当時中学生だった私は、木造2階建ての校舎の2階の教室から同級生とともに、階段では転んだ人もおりましたが、校庭へ避難しました。学校の池の水が大きく揺れたのを今でも覚えております。 また、1978年、昭和53年6月12日午後5時14分ごろ、宮城県沖地震が発生、信号待ちしていた車が大きく弾み、だれかがいたずらをしているのかと思うくらいでしたが、信号などが大きく揺れるのを見て、初めて地震だと気づいたものでした。 そして、2008年、平成20年6月14日午前8時43分ごろ、岩手・宮城内陸地震が発生しました。田んぼの水が南北に大きく揺れ、波のように動いたのを初めて見ました。かなり強い地震だとは思いましたが、震源地が岩手県内陸南部と聞いて二度びっくりしたものであります。奥州市でも犠牲になられた方もおり、また、大きな被害に遭われた方々に改めてご冥福をお祈りし、お見舞いを申し上げます。 ことし8月24日の全国紙には、「この地震で震源地に近い衣川区の自殺者が例年ゼロから一人だったが、地震後数カ月でも、少なくとも10代から70代の計7人と急増していたことがわかった。被災との関係は不明だが、専門家は地震が影響したことは十分考えられると指摘、被災住民の心のケアのあり方に一石を投じそうだ」という記事が載っておりました。改めて地震の大きさ、悲惨さを感じさせられました。 また、ことしの7月7日午後5時から6時にかけて、水沢区JR東北本線東側に53ミリの集中豪雨があり、床上浸水や床下浸水、道路冠水、のり面崩壊などの被害が発生、羽田地区では住宅被害が発生しました。 最近、テレビ等でゲリラ豪雨とか、よく聞き、よく見るわけですが、奥州市には関係ないことと思っておりましたが、地震、豪雨とももはや対岸の火事ではなく、日本全国どこで起きてもおかしくない状況、事実身近で発生、体験しているわけであります。ましてや、天災は忘れたころにやってくるということわざがありますが、もはや天災は忘れないうちにやってくる状況であります。 そんな中、岩手・宮城内陸地震においては、日本全国から多くの義援金をいただきましたが、それを活用し、市では災害情報を発信できる緊急告知ラジオを導入することとしたそうですが、市民の方から、訓練においてラジオの不具合いがあったやのお話をお聞きしましたので、次の点についてお伺いをいたします。 1、導入の目的並びに今までの取り組みについて。 2、今までの取り組みにおいて問題点は何か。 3、今後の取り組み並びに課題は何か。 4、市として期待するものは何か。 以上、1点目の質問とさせていただきます。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 藤田慶則議員のご質問にお答えいたします。 緊急告知ラジオの関係でございます。 平成20年6月14日に発生いたしました岩手・宮城内陸地震は、奥州市に大変大きな傷跡と大災害に対する多くの教訓を残した大震災でございました。この大震災で被害を受けた地域住民は、災害対策本部から奥州エフエム放送を通じて発せられた身近な給水場所の情報、道路の通行どめなど、インフラ、ライフラインの情報が非常に役立ったということがございました。 災害が発生してからの情報提供はもちろんのこと、災害が発生するおそれがあるときにも情報提供できるシステムの検討を行い、岡山県倉敷市や新潟県長岡市などで実施している緊急告知ラジオによる情報提供システムが当市においても有効であると考え、全国各地からちょうだいいたしました義援金の中から738万円を活用し、平成21年度末に650台を導入いたしました。この緊急告知ラジオの内訳は、自主防災組織及びこれが未結成地区の行政区長に合計399台、公共施設や公共的機関に251台を配布いたしました。 本年6月14日の緊急告知ラジオによる情報発信受信訓練への実施に向けて、自主防災組織などに取り扱いなどの説明会を開催し、文書でも参加協力をお願いいたしました。事前の6月4日と10日に試験放送を行いましたが、告知しないラジオがあったことから、当日の訓練に向け、奥州エフエムとも対策を講じましたが、結果として受信率は自主防災組織269組織中188組織で、69.9%という結果でありました。 次に、2点目の質問で、今までの取り組みにおいての問題点についてでありますが、緊急告知放送以外で誤作動による突然の大音量の放送が流れたり、緊急告知放送自体の信号を受信しないなどの報告があったことから、奥州エフエムと協議し、ソフトウエア等の改良を行うために全台を回収することといたしました。さらに、ラジオの設置場所に起因するなど感知が悪い地区もあることから、使用説明が不十分であったと考えております。この間、自主防災組織の代表者の皆様には、試験放送、訓練当日及び回収時に自宅待機やふぐあいによってご迷惑をおかけしたことをおわびしております。 3点目の質問の今後の取り組み及び課題についてでありますが、改良した緊急告知ラジオをさきに30台導入をいただき、7月末に職員による作動試験を行い、受信率の改善と誤作動のないことが確認されましたので、同様の改良を施した緊急告知ラジオを緊急放送信号によるテストを行い、自主防災組織などにきめ細かな説明会を開催し、9月末までに再配布する予定としております。また、10月以降に改めて月1回試験放送を行い、緊急告知放送信号の不感箇所を把握し、地形的な要因などで信号の不感地域への防災情報の提供方法をさらに検討していかなければならない、このように考えております。 最後に、市として期待するものとして、防災時における情報発信やその提供手段は一つの方法では万全でないことから、さまざまな対応策を検討していく必要があると考えております。今後は、災害情報の情報発信、受信手段の拡大のため、緊急告知ラジオ放送の不感地帯の解消を進めてまいります。加えて、携帯電話の普及率が大変著しいことから、携帯電話を活用した災害時の情報提供を進めてまいります。現在も火災、気象情報などをメールで提供している「いわてモバイルメール」の登録を推進し、利用拡大を図ってまいりますし、一部の通信業者のサービスではありますが、メール配信の登録をしなくても、市内にいれば気象の状況であるとか、緊急のさまざまな情報を、市が発する避難勧告、さまざまなそういう危険な情報をメールで配信するシステムも開発されておりますので、それを活用できないかということも含めて積極的に検討してまいりたい、このように思っております。 ○議長(渡辺忠君) 19番藤田慶則君。 ◆19番(藤田慶則君) 再度、繰り返しになろうかと思いますが、6月14日の緊急告知ラジオを活用した情報発信受信訓練の趣旨が、市民の方々に周知徹底なっていたのかどうか、再度お聞きしたいと思いますし、また、今まで導入している自治体に電話で、問題点は何かと話を聞きましたが、ラジオ本体の故障が多いとか、不良品が多いとか、充電池そのものが悪かったなどと話していた自治体もありました。奥州市でもラジオを回収したようでありますが、そのようなことがなかったのかお伺いをいたします。 また、逆に、配備された市民の方々において、アンテナの取りつけが悪いとか、電池が入っていないとか、家の中でも電波の通りのよい場所に設置されていないなど、取り扱いの不備が導入当初はあった話も他の自治体から聞きましたが、そのためにも、奥州市では丁寧な市民の方にわかりやすいマニュアルが必要と考えますが、いかがでしょうか。 また、10月からは定期的に訓練をやっていくんだという話でございましたが、本来であれば訓練のための訓練ではいけないのでしょうが、市民の方に負担にならない時間帯を考えるのも一つかと思いますが、奥州市としては、10月以降の訓練をどのように考えているのかお伺いをいたします。 また、今後、説明会においては、ラジオだけの説明では人が集まらないのではないかということで、先ほど話したマニュアルなり、また、パンフレットをつくって配布したところもあるようですが、配備された方々への周知徹底を今後どのように考えておるのかお伺いをいたします。 また、受信率100%を目指して、受信率の悪いお宅を1軒1軒回り、指導して歩いた自治体もあったそうですが、個別指導について奥州市の職員が当たるのか、エフエム奥州に委託するのか、体制づくりが大事と思いますが、今後奥州市ではどのように考えておられるのかお伺いをいたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) まずもって、ことしの6月14日を訓練の日と定めて実施したわけでありますが、見込みとした以上に成績が悪く、70%弱ということでございました。また、緊急告知ラジオというふうな部分についての認識も十分にご説明をしないままで、認知度も低いままで実施してしまったというふうな部分も含めて、さまざまな問題点があったというふうに強く認識しております。 よって、今月配備し、10月から試験放送を行いながら、その有効性を確認するとともに、市民の皆さんには丁寧な説明を申し上げながら、その有効性のご理解をさらに進めてまいりたいと、理解を深めていただきたいというふうに考えているところでございます。 いずれ、東北地区においては奥州市が初めての場所ということとあわせて、地域における約99%を地元の放送局である奥州エフエムでカバーできる、奥州エフエムも市と協力関係にあるということの中で、非常に奥州市とすれば、FM放送によるさまざまな災害情報の提供というシステムができ上がれば、非常にすばらしいというか有効的である、また、奥州市にとっては非常に、繰り返しになりますが、奥州エフエムがあるということの一体の中でこのような取り組みもできるということでございますので、ほかの自治体で先進事例があるというところもないわけではございませんけれども、東北においては、奥州市がまさにフロンティアで先鞭を切ってさせていただいている事業でもあるということなどから、認知度はいずれ低かったものというふうに考えております。 議員ご指摘のとおり、丁寧な説明を行い、より実効性を高めてまいる努力を重ねていきたいというふうに思います。 なお、そのほかの詳細につきましては、担当部長のほうからご答弁を申し上げます。 ○議長(渡辺忠君) 及川市民環境部長。 ◎市民環境部長(及川潔君) 議員ご質問のありましたラジオの故障等々についてのご質問でございますが、それについてお答えいたします。 今回の一度配置したものにつきましては、工場から出荷時において、出荷時の検査をしています、受信のですね。その際、測定器で発信した信号を受信して起動するかどうかというテストをして出荷していただきましたけれども、実際のFMの電波に乗せた場合、その起動の信号を受信したのを確認するソフトウエアに一度入った受信の信号をメモリーに入れたものをクリアする動作を組み込んでいなかったために、一たん入った情報が消えなかったために、二度目に入ってきたものが全く違う信号と認識されてしまうということがありまして、それは、今回導入した会社は、有線テレビ放送による告知ラジオとかそういったものをやった業者さんですが、ラジオ放送によるものを初めてやったものですから、ラジオ放送が、例えば通常の音楽放送とかそういうものが流れておりまして、その音楽放送で流れる周波数帯がこの緊急告知のラジオを起動させるための周波数と同様のものがいっぱい存在しているということもございまして、そのメモリーをクリアするということが機能としてなかったためにうまく起動しなかったり、逆に起動信号と同様の周波数帯の信号が流れたことによって、ラジオが作動したというようなことがございました。それにつきましては、今回は改良しております。 あとは、まだそのくらい使っていますので、機器そのものが故障があるか、これから故障がどうなのかということについてはまだわからない状況にありますけれども、そういうことで、今回はそういった不完全なものについて改善を行ったものを、今回9月末までに再配置をしたいと思っております。 それから、あと、訓練の実施時間帯でございます。配置をしましたら10月から、できれば14日にやりたいと思っておりますけれども、現在考えているのは午後1時にやりたいなと思っております。FMの番組との関係もございまして、1時を予定をしておりますが、議員のお話のとおり、それがその訓練に参加した方の負担にならない時間であるかどうかということについても検討いたしますし、それから、エフエム奥州の番組編成上、1時以外の時間帯にそういったものが入れられるかどうかについては協議をしてまいりたいと思っております。 それから、懇切丁寧に書かれたマニュアル等が必要ではないかというご質問でございますが、現在、私ども6月にやった際は、多分業者からついてきた取説--取扱説明書のことを言うんですね、をやっております。それで、そういった意味では不徹底のところもございましたので、現在そのマニュアルについて、職員が実際の動作をしながら作成をしております。いずれにしても、うまくこういったことが、情報伝達の機能として十分活用できるようなラジオになるように、そのマニュアルについても詳しく設置者について説明を申し上げたいと思っております。 それから、個別指導の話ですが、一たん説明をして、それをこういった操作法がわからないとかというのは、電話で照会していただくなりということでの回答は、一つはしたいと思っておりますけれども、そういった項目がかなり多いということであれば、これからエフエム奥州とも協議はしてみたいと思いますけれども、市がするか、エフエム奥州にそれをお願いするかについては、これからの協議ということでございます。 特に山間地に入りますと、地形的な問題で、例えば自主防災組織のリーダーの方のお宅に設置はしたけれども、地形的な問題でそこが受信できないとか、そういうのは多分出てくると思います。そういう場合に、じゃ、どこに設置するかということの相談とか、そういうものも個別に受けていきたいと思っております。 以上です。 ○議長(渡辺忠君) 19番藤田慶則君。 ◆19番(藤田慶則君) 屋外スピーカーからの放送のみでは、近年の住宅の気密性の向上や気象状況によっては十分に聞き取れないということで、緊急告知ラジオを導入したという市がかなりあるようなんです。奥州市もその目的だろうというふうに思いますが、先ほど部長が言われたとおり、聞き取れない地域が100%やはり聞き取れるような状況でないと、この緊急告知ラジオの意味が私はないんじゃないかなというふうに思いますので、配備された市民の方々が100%聞ける体制をぜひ整えていただきたいと。 また、岩手・宮城内陸地震の教訓を生かし、市民の生命を守る立場で防災情報を提供するため、防災の意識の強いまちづくりを構築するべきと考えますが、市長の決意をお伺いし、1点目の質問を終わりとさせていただきます。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) いずれ奥州市といたしましては、住んでいる市民の皆さんが、奥州市をやはり安全で安心できる地域だなと、そういう町だなということを強く認識していただく、そして一緒に力を合わせながらまちづくりに汗を流していただくということこそが最も重要だと。その意味においても、みずからがみずからを守る、そしてともに守っていくというふうな仕組みづくりは、最も重要なまちづくりの一つというふうに考えております。よりまして、今、議員ご指摘のとおり、積極的にこの部分については進めてまいりたいというふうに考えておりますし、また、緊急告知ラジオにつきましては、不具合いがまた今回も多少あるかもしれませんけれども、それを一つ一つ丁寧に改善しながら、できるだけ早い時期に100%を目指すという形で取り組んでまいりたい、このように考えております。 ○議長(渡辺忠君) 19番藤田慶則君。 ◆19番(藤田慶則君) それでは、2点目の質問に入らせていただきます。 2点目は、口蹄疫対策についてであります。 宮崎県では、本年4月20日に口蹄疫が発生しました。口蹄疫とは、動物がかかる伝染病の一種、口蹄疫にかかる動物は、いわゆる偶蹄目、つまりひづめが偶数ある動物になります。例えば、牛、豚、ヤギ、羊、シカ、イノシシなどがそれに当たります。感染した個体は、体に水疱ができたり、発熱などの症状を見せますが、この病気が最も恐ろしい点は、感染力が非常に高いこと、ただし感染しても死亡率はそれほど高くありません。一方、口蹄疫は人体には感染せず、感染した牛や豚を食べても感染には至りません。その点だけは安心できます。 口蹄疫による宮崎県への影響は、宮崎県調べによりますと、牛の殺処分頭数6万8,266頭、豚の殺処分頭数22万34頭。豚は一般的に口蹄疫に感染しにくいが、一たん感染すると体内でのウイルスの増殖力は牛の100倍から1,000倍とされ、感染が広がる可能性が高くなると言われます。殺処分された牛、豚、約29万頭は、宮崎県内にいた120万頭のほぼ4分の1に当たり、発生農場数292農場、発生した市と町11市町、埋却地面積142ヘクタール、中止イベント数約230件、宮崎県ではイベントの中止や旅行客の減少などで地域経済も大きな打撃を受けました。 2008年のデータでは、宮崎県の畜産算出額は約1,869億円、農業算出額に占めるウエートは約57%と、鹿児島県と並び全国トップ、ちなみに岩手県は、宮崎県、鹿児島県、北海道に次ぎ全国4位だそうです。被害に遭われた農家の方は、畜産がいろいろなところに影響を及ぼすことが身にしみてわかったということであり、事実、宮崎県や感染疑いが出た市、町の財政が急速に悪化しているそうです。最も被害が大きかったある町では、町内の牛や豚は全頭殺処分されたため、畜産農家は収入が断たれており、町職員は税収の落ち込みは必至、非常事態だという記事も出ております。 北海道と宮崎県で2000年に口蹄疫感染が発生した際には、畜舎などで使われた中国産わらが国内への感染経路だった可能性が高いと見られております。今回の口蹄疫問題での感染経路の調査では特定に至っておりませんし、また、疑わしい畜産関連の資材は出てきておりません。可能性が残る感染経路として、あくまでも推測だが、ウイルスが人などによって運ばれたのではないかと見ている専門家もいるようです。 8月27日、宮崎県の知事は、ウイルスが残っている可能性があるふん尿を無害化するため、家畜のふん尿の堆肥化処理が対象農場で終わり、口蹄疫終息宣言を出し、畜産王国再生、経済復興へ動き出したようであります。 全国の畜産農家や消費者に衝撃を与えた今回の口蹄疫問題、東アジアでは今も発生が続き、国境を越えた人や物の出入りが盛んになっている現在、畜産が盛んな地域なら、日本中どこでも発生リスクを抱えております。ましてや、前沢牛、奥州牛、江刺牛、そして陸中牛、酪農、養豚と畜産の盛んな奥州市におきましては、1点目でも話しましたが、もはや対岸の火事ではありません。 そこで、お伺いをいたします。 1、市としての今までの取り組みについて。 2、口蹄疫対策の課題は何か。 3、市としてできる今後の対策は何か。 以上、2点目の質問とさせていただきます。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 藤田議員の2件目のご質問にお答えをいたします。 まず初めに、市としての今までの取り組みについてでございます。 奥州市の対応といたしましては、宮崎県において4月20日に口蹄疫が確認されたことに伴い、早速関係団体と連携し、市内全畜産農家を対象とした、電話聞き取りによる牛の異常を確認する緊急調査を実施し、全頭が異常ないことを確認しております。 5月20日には、口蹄疫が終息しないことから、家畜伝染病防疫対策に係る会議等設置要綱を制定し、その後、関係機関、団体による協議を行い、5月25日に第1回奥州市家畜伝染病防疫対策会議を開催し、感染防止のため市内全畜産農家へ消石灰の無料配布を決め、5月27日から口蹄疫の対応、散布方法等を記したチラシと一緒に、1,409戸に配布をしたところであります。 また、6月15日には、第2回の対策会議を開催し、口蹄疫相談窓口の設置とともに、消毒用動力噴霧器3台を購入し、防疫体制を整えております。 次に、課題は何かということでございますが、今回の感染拡大を招いた原因につきましては、初動のおくれ、関係機関の連携不足や埋却地の確保などが問題と言われておりますが、市といたしましても、患畜等の死体等の--要するに病気にかかった家畜の処理の部分ですね、処分に必要な埋却地の確保、殺処分で被害を受けた農家の生活再建などが大きな課題になると考えております。 また、今後の対策でございますが、飼養衛生管理を徹底し、家畜の健康観察を行うことや、日常的な消毒を徹底することが大切であることから、今後とも関係団体などと連携し、周知を図ってまいります。 また、埋却地の確保につきましては、宮崎県の例も患畜等の死体等の処分に必要な埋却地の確保ができず、迅速な防疫対策を実施する上で大きな課題となっております。基本的には、家畜所有者が確保し、死体等の処理は、原則として発生地またはその付近において焼却または埋却を行うこととなっております。市といたしましても、万が一の場合に備えて、県などと連携し、農場ごとの埋却候補地の有無などの調査を実施しておりますが、さらに公有地の埋却候補地の選定も行っております。なお、国では防疫体制の問題などを検証し、家畜伝染病予防法の改正などを検討しており、また、県では口蹄疫発生を想定した現地シミュレーションを、まさに本日でございますけれども、9月1日に胆沢牧野等で行い、課題等を検証し、今後の防疫対策等につなげていくこととしております。 家畜伝染病対策は、一義的には県知事の対応責任であり、市町村、農協等は県家畜保健衛生所が設置する現地防疫対策本部が実施する防疫活動への協力支援を行うこととされておりますが、市といたしましても、今後も県の指導のもと、関係機関、団体と情報を密に共有しながら、防疫対策に万全を期すよう努めてまいります。 ○議長(渡辺忠君) 19番藤田慶則君。 ◆19番(藤田慶則君) ある程度の市長からの答弁をいただきまして、それに尽きるのかなというふうな感じがしますが、ある日の新聞に、口蹄疫の感染が疑われる牛が見つかってから4日間届けていなかったという趣旨の証言をしたと。口蹄疫は迅速な発見と殺処分が拡大防止に最も重要とされ、周りに感染を広げないように農家は一生懸命やってきたと。「4日間の届け出おくれが事実だとすれば許せない」という農家の方のコメントが記事に載っておりました。 奥州市においても、発生があってはならないのでありますが、万が一疑わしい牛が見つかった場合には、速やかに獣医さんに診ていただくとか、速やかに届け出るとか、奥州市には2つの農協があるわけですが、農協さんと話し合って簡単なマニュアル等はあってもよいのではないかと思いますが、どのようにお考えかお伺いをいたします。 また、先ほど市長の答弁に埋却地の話がございました。埋却地は3年間発掘が禁止だそうですね。よって、3年間は土地を耕すことはできないそうでありますが、ですから、万が一発生した場合の、近くの農場の周辺に埋却地を確保できるものなのか、また、胆沢牧野等の話も今いただきましたが、内々に埋却地の検討をされるというか、確保しておいた方が私はよいのではないかと思います。再度の質問になるかもしれませんが、その件についてお伺いをいたします。 また、過日行われました県要望にも、口蹄疫対策についての要望がありましたら、先ほど市長が答弁された内容なのかもしれませんが、改めてどのような内容だったのかお伺いをいたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) まず、マニュアルの作成というふうな部分につきましては、これは非常に必要だというふうに考えております。いずれ、今回は非常に大きな問題として私もとらえておりますし、特に畜産を営んでおられる農家の方々は、大きなショックをお受けになられたというふうに思っております。 4日間の届け出がおくれた等々ということで議員のほうからご発言がありましたが、いずれ、このことを、そういうふうな病気が、うちが飼育している牛なり豚から出たということを、すぐに言わなければとは思いつつも、言ったらどうなるんだろうというふうな部分で、いささか、これは私の想像ですけれども、そういうふうな部分でちゅうちょもあったのかなというところも考えられることから、いずれ、これは出たからどうだではなく、みんなでそれを制圧していくのだという意識づくりをまずは皆さんにご理解いただく、そうなってもちゃんと対応しますから大丈夫ですよという、そういう状況を、きちっと説明できるような体制を整えていく必要があろうというふうに思うわけでございます。 いずれ、マニュアルにつきましては、2農協と丁寧に相談をしながら、そういうものをつくる方向で対応してまいりたいと思っております。 埋却地につきましては、先ほども登壇してお話をさせていただきましたけれども、どこか遠いところに市の公有地を持って、そこに埋却ができるというのであれば、それはそれにこしたことはないんですが、お話し申し上げましたように、感染が拡大することを防止するために、できるだけ発生地の近く、ないしはその場所で処理、対応するようにということが基本中の基本だというふうに考えておることから、家畜所有者の方々と丁寧に相談をしながら、もし、ここで発生した場合にはここにということで、それぞれが手当てしていただく、そして、どうしてもそれの適地がないというふうな部分も含めて、その際にはより近くの場所で、市として協力できる場所ないしは提供できる場所はないのかというふうなことも含めて、今、その検討はしっかりと行っているところでございます。 なお、県要望の内容詳細等については、担当部長のほうからご答弁を申し上げます。 ○議長(渡辺忠君) 及川農林部長。 ◎農林部長(及川喜三郎君) お答えをいたします。 さきに、県南振興局に対します、いわゆる統一要望、その中で口蹄疫対策につきましては、要は農家の不安の解消、あるいは営農生活、経営再建等に対する支援、これらにつきまして国に働きかけて万全の対策をとられるようなお願い、特段のご高配をお願いしたいということで要請をしているところでございます。 以上でございます。 ○議長(渡辺忠君) 19番藤田慶則君。 ◆19番(藤田慶則君) 肥育牛は経済動物であり、牛肉となるべく育てられてきたのでして、それ以前に殺処分されることは、生産者にとっては本当に悲しいことであります。また、繁殖牛においては、家族同様に扱われております。 口蹄疫は、畜産の盛んな奥州市においては発生してはならないのですが、人的交流が盛んな現在においては、再三話しますが、対岸の火事ではありませんし、天災は忘れないうちにやってくるという話もしましたが、口蹄疫はやってきてほしくないわけであります。 ただ、奥州市の畜産の農家の方々は、今でも十分に消毒等を行っているわけですが、今回の口蹄疫の発生を風化させてはいけないというふうに思います。口蹄疫に対する今後の啓蒙活動をどのように考えておられるかお伺いし、私の質問を終わります。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 先ほども議員からご指導というかご指摘いただきましたように、マニュアル等が必要であろうということで、その部分については2農協と丁寧に協議をしながら、そういうふうなものをつくってまいりたいというふうに答弁申し上げましたところでございますが、その部分において、いろいろな形で、こういうふうな消毒をすると効果的であるとか、こういうふうな症状が出たときにはすぐに獣医さんなり専門家に相談してほしいというふうな部分も、しっかりとそのマニュアルの中には書き込んでいかなければならないというふうに考えております。そのようなマニュアルをつくるという段階を通じながら、しっかりと畜産関係の農家の皆さんには、状況等も聞き取る必要もございます。 また、埋却地というふうな部分の候補地を見つけていただくというふうな、さまざまな部分でのやりとりが今後とも出てくる、その機会機会を通じて、一人一人がウイルスを持ち込まない、ないしは絶対に口蹄疫を発生させないという意識高揚を都度都度に行ってまいりながら、しっかりとした対応、防疫体制を整えてまいりたい、このように考えております。 ○議長(渡辺忠君) 午後1時まで休憩いたします。               午前11時47分 休憩---------------------------------------               午後1時 再開 ○議長(渡辺忠君) 再開いたします。 午前に引き続き一般質問を行います。次、9番関笙子さん。     〔9番関笙子君質問席へ移動〕 ◆9番(関笙子君) 9番関笙子です。 通告に従いまして、2件をお伺いいたします。 子供の健全育成について市長、教育委員長に、空き校舎等を介護事業等に活用することについて市長にお伺いするものであります。 まず初めに、子供の健全育成について市長、教育長、教育委員長にお伺いいたします。 果たして、今、子供たちの育つ環境は健全なのでしょうか。子供たちの大方は、望まれ、祝福され、待たれて産まれてきます。自分で意思表示できるまでは、食事や機嫌、排せつなどなどに生きていく上でのすべてに気配りされ、みんなに愛され、温かく育てられます。しかし、子供たちの環境はこのような環境ばかりではなく、今、少しずつ社会的な環境が変わってきているような気がします。 親の都合により子育て放棄や命にかかわるような最悪の結末の事件、事故が連日報道されていることに、心を痛めております。子供の成長過程で問題のある家族から引き離され、今、保護されて施設に預けられている子供は、全国で4万人以上にも達しているとのことであります。また、潜在的にはその10倍とも言われております。物質的に豊かな環境で、そして親になる人たちの教育等も行き届いているはずであります。子供たちの健全育成に多くの人がかかわり、心を砕き、地域も行政も一生懸命子供を守っているつもりなのに、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。親たちに何があって、子供たちはこのような目に遭っているのでしょうか。一体この国の子育てはどうなってしまったと思っている人は多いと思います。 こういうことについては、いたずらに表面化させることでもなく、大々的に取り上げていいのかとの思いはありますが、もうこのまま見過ごすことはできないとの思いがあります。奥州市においても、このような育児放棄等は確認されているのでしょうか。お伺いをいたします。そして、その対策、対応はしっかりなされているのでしょうか。お伺いをいたします。 議会の市政調査会では、子供の権利条例制定に向け、去年市内5区8会場で、子供に携わっている市民の皆様と懇談をいたしました。200件近い意見が出されましたが、その中で子育て状況については、どう育てていいかわからない、仕事に追われて子供と触れ合う時間がない、このまま大きくなったら不安だ、相談することができない環境だなどなど、何か悩みながら孤立している親の状況が見え、親が育っていない状況が感じられました。そのようなもやもやが、悩みが、あるいは子供に向かう場合もあるのでしょうか。報道はほんの一部であり、理由は千差万別と思われますが、子育ての最悪の事態は、どんなことをしても防がねばなりません。これは、私たち大人の使命であります。 市も本当に一生懸命対策を立て、頑張っていると思います。子育て環境ナンバーワン計画も後期の行動計画を示しており、時代を読み、新たな事業も盛り込まれ、検討されたようであります。予防等の事業も入っているのでしょうか。お伺いをいたします。 このナンバーワン計画の200ほどある事業の所属する担当部署を数えてみましたら、何と15部署ありました。それだけ子供を産み育てることは、幅が広く、かつ深いものだと認識するところですが、市民からすれば、やはり窓口が一本であってほしいと思うところです。視察に行きますと、他県でよく市役所等訪れますが、子供課なる課をよく見かけます。何でも相談できる窓口を一本にして、市民の要望等心配事の軽減に努める考えはないかお伺いをいたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 関笙子議員のご質問にお答えをいたします。 子供にとってのよい環境とは、家庭での見守りや地域での見守りの中で、安心して子育てができる環境であると思います。現在は核家族化、共働きなどにより、子育ての孤立化、子育て体験や育児スキルの不足など、子育て環境面で問題点が多くあるように感じられます。 ご質問の児童虐待についてですが、子供を健やかにはぐくむべき親からの虐待により子供が死亡するなど、痛ましい事件が後を絶たない現状は、まことに残念でなりません。当市においては、昨年度の児童家庭相談件数が157件のうち、虐待相談件数は37件でした。一昨年の38件とほぼ同数ですが、平成18年度以降、増加傾向にあります。 当市の児童虐待防止の取り組みといたしましては、関係機関団体による要保護児童対策地域協議会を組織しており、保護、支援を必要とする子供、いわゆる要保護児童に対する情報や考え方を共有し、円滑な連携体制を確保することにより、地域における要保護児童を早期に発見し、適切な支援を図るよう努めているところであります。相談支援体制では、相談員4名を配置して、本庁、各支所で相談や、児童相談所、学校などと連携をとりながら助言指導に当たっており、活動延べ件数は年間1,000件以上となっております。 また、虐待の多くは養育の怠慢、放棄などのネグレクトであり、これらは一朝一夕に改善されるものではなく、多くが長期にわたってかかわるケースとなっているのが現状です。身体的虐待などについては、児童相談所と連携し、子供を一時的に緊急保護してもらうこともあり、昨年度は4件、6名の子供が保護されています。 児童虐待は、人格形成や生命にかかわる重要な問題であり、児童虐待を許さない意識の醸成が必要であるとともに、児童虐待防止の究極的な対策は、児童虐待を起こさせないこと、発生予防であります。そのために、保健分野、福祉分野、教育分野などを含めた広域かつ総合的な取り組みが必要です。中高生の乳児触れ合い体験や思春期講座など、親になる前からの啓蒙を初め、赤ちゃん全戸訪問、産後うつ病対策など、母子保健活動の充実とともに、子育て支援を充実していきたいと考えております。 また、学校施設、地域などにおける早期発見体制の確立も重要であることから、関係者の研修などの充実も必要と考えております。 いずれにいたしましても、児童虐待は行政や学校のみならず、民生児童委員など地域の方々のお力や関係機関、団体の緊密な連携のもとに取り組んでいく必要がありますので、今後とも、要保護児童対策地域協議会を中心に、的確な支援を行ってまいります。 次に、子育てに関する相談窓口の充実についてでありますが、総合的な子育てに関する相談に対応するため、平成19年に奥州市子育て総合支援センターに子育て総合相談窓口を設置し、平成20年からは家庭相談員、婦人相談員などの専門職員を配置し、機能の充実を図っており、これまで多くの相談が寄せられております。 総合窓口では、福祉分野のみでなく、あらゆる分野における相談に対応しており、教育委員会や母子保健福祉担当などの関係機関と連携をとりながら、相談内容に応じた専門の窓口をご案内しております。各種の手続につきましても、保険証のほか、児童に関係する手当や医療などは、いわゆるワンストップサービスの提供を行ってきております。また、これまでの総合相談窓口では、市民が子供連れで相談できる場所にないとの声も多くいただいております。現在建設中の子育て支援施設内に、子供を遊ばせながら、子育てのことなどゆっくり相談できる機能を確保する予定でおります。保健師や保育士を配置し、時には助産師も相談に乗りながら、子供家庭課の相談員と連携しながら対応してまいります。 子供に関する施策は、教育福祉だけでなく、まちづくりや親の就労関係など、ほぼすべての部署にかかわっているため、市民の方がどこに相談すればよいのかわからないという声があるということについては、今後しっかり周知を図ってまいりたいというふうに思っております。より市民の皆様が利用しやすい窓口となるよう、今後一層努力を重ねてまいります。 ○議長(渡辺忠君) 千葉教育委員長。     〔教育委員長千葉啓一君登壇〕 ◎教育委員長(千葉啓一君) 関笙子議員の子供の健全育成についてのご質問にお答えいたします。 児童・生徒の健全な発達や成長をはぐくんでいくためには、その基盤となる家庭の安定や発達段階に応じた適切な家庭教育が大切であると考えております。しかしながら、家庭を取り巻く社会的な環境の変化などにより、育児不安など子育てに関する問題の深刻化、子供を対象とした犯罪の増加など、健全な家庭生活を維持することの難しさに伴う子供の育ちへの影響についても、注意深く対応することが求められる状況であると認識をしております。 学校では、さまざまな家庭環境で生活する子供たちが集う場でありますが、通常の教育活動において、プライバシーにかかわる家庭環境の変化をつぶさに把握することは難しい面があります。そこで、学校におきましては、子供の学習や生活の観察、対話、日記、就学援助等の現状などから、子供の変化を見逃さないよう注意深く見守っております。 学級担任の先生方は、保護者とのよりよい信頼関係の構築に努めており、子供の成長についてともに悩み、考えるなど、保護者の養育を可能な限りサポートできるようにしてあります。気になる状況が見られる場合においては、保護者との面談、教育相談を実施したり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の活用、家庭相談員や民生児童委員などの支援機関との連携を図ったりしております。その上で、必要な相談支援の実施や、就学援助等の検討をしたり、状況に応じて児童相談所につなぐなどして、児童の健全な成長を妨げる環境から守る対応を行うこととしております。 続いて、生涯学習分野における取り組みについてお答えいたします。 生涯学習分野においては、青少年の健全育成事業、放課後子ども教室推進事業、家庭教育支援事業等により、子供がはぐくまれる環境の充実を図ってきたところでございます。 初めに、青少年の健全育成事業でありますが、寺子屋事業、小正月行事など、異年齢間、世代間の交流を図る事業、自然体験、伝統文化体験事業など、各公民館等を中心にさまざまな事業を展開しており、これらの活動を通じて、優しく思いやりのある心豊かな青少年の育成を図っております。特に異年齢間交流事業である寺子屋事業については、中高生の寺子屋リーダーが、小学生の寺子の世話や、寺子屋の運営をみずから計画実践する中で成長していく事業であり、子供に対する優しさ、思いやりをはぐくむ心、ひいては他者を大切にする心が、事業を通じてはぐくまれております。 また、奥州市水沢青少年育成市民会議の事業である子どもセンター体験講座においては、中高生と乳幼児の触れ合いを目的とした育児体験講座が行われております。少子化等の影響により、身近で子育てを見る機会、触れる機会が少ない中、青少年期において乳幼児等が小さな子供と実際に触れ合う機会を設けることは、中高校生が親となった際、子育てに自然に向き合い、取り組む意識の醸成につながるものと期待されます。 放課後子ども教室推進事業については、地域の皆さんの協力を得て、子供たちが放課後に安全、安心して活動できる子供の居場所づくりを推進しております。子供の居場所のうち、ホワイトキャンバス、パステルハウスについては、小学生だけでなく中高生も対象としており、異年齢交流を図りながら自主性や社会性がはぐくまれている場となっております。だれもが自由に利用できる青少年のよりどころとして、多くの青少年が居場所を利用しておりますが、家庭に問題を抱えた子供の利用があった際には、運営スタッフが悩みを聞くなど対応を行い、学校関係機関との連携や保護者との話し合いによって問題の解決に取り組んでおり、子供を取り巻く環境の改善、向上が図られております。 家庭教育支援事業については、子供とともに親自身が親として成長できるための学習機会として、幼稚園や保育園、小学校等を会場に、参観日やPTA集会等を活用して、家庭教育講演会への開催支援を行うなど、家庭教育力の向上に努めております。 以上のように、子育ち、親育ちの視点に立った各種事業の実施により、子供がはぐくまれる環境の充実を図ってきたところでありますが、今後とも重点的に取り組むべき事業として展開していくとともに、市全体への拡大を図るなど、子供にとってのよりよい環境づくりにつなげてまいります。 ○議長(渡辺忠君) 9番関笙子さん。 ◆9番(関笙子君) 9番関でございます。ありがとうございました。 何か、今、市長、教育委員長のお話を聞きまして、少しほっとしたところもありますし、実態を聞いてびっくりしたところもございます。そこで、市の対応は、この種のことにつきましては限界があるというふうに私は承知をしています。そういう中で、本当に見えないものを探す苦労、それから見てしまったものをしっかり見守り、それ以上のことが起きないようにしていくというこの大変な事業を、各方面から実施しているということに、改めてすばらしいなというふうに思いました。 そこで、やはり大事なのはこれからのこと、やはり要望ということはとても大事なことだろうと思います。心配なのは、若いお母さん方、こういう事件、事故が起きますと、あのお母さんの思い、わかるよねと、異口同音に申します。つまり、母親たちは子育てに追われ、あるいはやはり悩んで、孤立している姿が見えます。そこに対しての支援というのはなかなか届いていないなという気がいたします。この辺のことが1点。 それから、もう一つ、いわゆる悩んでいる子供たち、孤立している子供たち、そこについては、今、教育委員長からお話がありましたように、いろいろな事業をやっているにもかかわらず、なおかつ孤立しているわけです。でも、水沢では、先ほど話が出ましたホワイトキャンバスのような、本当に自由にだれもが出入りできる施設があり、私も行ってみましたし、この間、スタッフの方とお話をさせていただきました。自由にそういうところに出入りしている子供たちは、やはりひきこもり、不登校の予備軍であって、ただ自由に行けること、同世代とのかかわりで自分を取り戻した子がいるとか、なかなか家に帰りたがらない子供たちでも、よく話してみるといろいろな心を開いてくれるというようなこういう施設があるということは、私はすばらしいことだと思いますし、スタッフの皆さんも本当に一生懸命やっている。 そこで、こういう施設、この方策を各区に広げられないのかなと。水沢は、とても寺子屋なんかもよく報道で見ますと、子供たちが生き生き、さまざまなことをやっているけれども、せっかく合併したのになかなか広がらないなという思いがあるんですが、その辺、これからどのように考えていらっしゃるかお伺いしたいなというふうに思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 詳細の部分は、この件につきましては教育委員会に密接に関係する部分でありますので、教育委員会のほうからもご答弁を申し上げますが、議員ご指摘のとおり、さまざまな形で市内にはすばらしい事例があります。その事例を何とか合併したのですから、全市に広げていくという努力は、これは最も力を入れていかなければならないというふうに考えております。 しかしながら、水沢区における例えばホワイトキャンバスにおきましても、一朝一夕にでき上がったものではなく、かかわってくださる方々が引き続きずっとというふうなところで支えていただいたということで、積み上がってきたということでございます。 よって、このことにつきましては、お世話をいただく人的な能力開発というふうなところがまず1点、そして行政としては、施設とかというハード面での施策が必要ということでございます。基本的には、広げていく形で今も対応しているところでございますけれども、より早目にというか、皆さんにご理解いただき、実感いただけるような形で、さらに検討を加えながら、全市的に必要と思われる場所へ配置する方向でしっかり対応していきたいというふうに思っております。 ○議長(渡辺忠君) 佐藤教育長。 ◎教育長(佐藤孝守君) 子供の居場所というふうなことでご質問があったわけでございますけれども、ただいま市長が話したとおりでございます。このホワイトキャンバス、それからパステル。いわゆる放課後子供教室の枠組みの中で運営等されているわけでございますけれども、これは寺子屋活動を基盤とした中で大きく広がっていった、そういうふうな取り組みではないのかなと把握しております。したがいまして、小、中、高、そしてさらにその上の世代のリーダーといったふうな縦のつながりが基盤になりながら、この施設等はいろんな子供たちを受け入れるとか、子供たちの相談に乗るとかというふうないろんな活動が仕組まれている。ただそれは、先ほどお話もございましたように、非常に献身的な形でかかわっていただける方がいるというふうなこととか、さまざまなグループの支えがあったりとかといったふうな形で、子供たちを支えているというふうな状況がございます。当然、このような施設については各校に広げていくというふうなことは、私たちも考えているわけでございますけれども、それを運営していくスタッフの養成、そしてそれを支えるリーダーたち、そういうふうなものをどのように育て、そして配置していくのか、その辺のところが大変難しい部分ではないのかなと思っているところでございます。ただ、これは福祉サイドでございますけれども、中学生にかかわってそのような場所等が江刺のほうでもでき上がり、活動が始まっているというふうなことも聞いております。各課と、それから各部といったふうな垣根を取り払いながら、子供たちの居場所づくりについては色々な対応をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(渡辺忠君) 9番関笙子さん。 ◆9番(関笙子君) ありがとうございます。 市政調査会ではアンケートをとったときに、子供の居場所、いわゆるコンビニ、カラオケを挙げた子供たちが10%以上もいたわけです。今言った献身的にお世話くださる方は、私はいっぱいいると思うんです。ぜひこの予備軍といいますか、こういう子供たちの心を開いて、予備軍と言われている皆さんの大事な時期だと思うんです。一生の中の中学生、小学生の時期というのは。ぜひ、この寺子屋的なホワイトキャンバス的な、こういう水沢の施設を拡充していただければと。地方にはそういう献身的なすばらしい人材がいっぱいおりますので、ぜひその方の皆さんのご協力をいただきながら、これはこういうことで私は解決していかなければ、この道は難しいのではないかなというふうに思いますので、その辺をぜひお願いしたいというふうに思います。 それから、母親だけが子供を育てる状況があるということでございます。その点については、今、法の整備もいろいろ出ているんですが、みんな絵にかいた餅で、さっぱり機能しないわけです。つまり、今、イクメンとか言って男性が育児に参加する風潮が出てきておりまして、私はとてもいいことだなと思うんですが。その辺も、例えば市役所なんかは、もう法の枠内に入っていまして、どんどん若いお父さんたちは休みをとれるわけです。市長の一言でそれは実現できるわけです。民間の中小企業はまだまだそこまでは行っていないので、ぜひ市役所の若いお父さん方、育児に参加させるような、そんなことを考えてみてはいかがでしょうか、市長。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) まず、本当にこれからの時代をつくっていくのに新しい命、要するに子供たちの力をもって、奥州市をより持続的に元気に発展させていくというためにも、みんなで子供を育てていくという環境づくりは、最も重要だというふうに認識しております。市のほうでも、男性においても育児休暇をしていただけると。それも時期によっては何回かに分けてもとっていただけるという状況でございますので、これは制度として整えておりますので、それは有無を言わずと言ったらちょっとあれですけれども、積極的に、はばからずしていただけるような、ただ、残念ながら奥州市は少しずつ改善しつつありますけれども、一般的な風潮では、何か男性がそのためにお仕事を休むとなると、こう周りの目が気になるというような精神的なプレッシャーもまだ残っているようでございますので、その点については特に奥州市の職場内におきましては、はばからず、そのために、これはある意味ではまちづくりの一環であるというふうな大きなスローガンを掲げて、遠慮なく決められた期間、しっかりと育児に専念していただくような休暇をとっていただけるように、さらに積極的に推進していきたいというふうに思っております。 ○議長(渡辺忠君) 9番関笙子さん。 ◆9番(関笙子君) 関でございます。2問目の質問に入らせていただきます。 空き校舎等を介護事業等に活用することついてお伺いをいたします。 奥州市の介護計画の中で、平成20年度、奥州市の高齢者世帯は27%を超しております。それから在宅のひとり暮らしの高齢者は、実に3,000名を超しております。また、在宅での寝たきり高齢者は330名とあります。高齢者の中には、自宅で老後を暮らしたいと思っている方も多いわけですが、その環境が整っている方でも、在宅の高齢者を自宅で毎日支えていらっしゃる関係者のご苦労や、また、遠方から数日置きに通ってお世話している方も、実際に見ております。お世話する方が倒れたような状況も見受けられます。各種サービスを使いながらも、日夜の見守り、お世話の実態は深刻であります。平成26年度には30%を超す高齢化率、そしてますますその実態は加速しております。そんな中で、奥州市の介護保険事業の第4期計画が進められておりますが、600名を超える施設入所待機者があると言われておる中、緊急を要する163名の入所について、施設の整備計画が進められておるはずです。その進捗状況はどのようになっているのかお伺いをいたします。 団塊の世代が高齢化に移行する第5期以降の介護保険計画は、より重要であります。入所希望が多くなることに加え、介護保険料を支払う人口が減少することも確実視されている中で、どう運営していくか、大きな課題であります。しかし、課題を出し合ってばかりでは何の解決にもなりません。そこで、いきなりですが、介護施設の充実について、空き校舎、空き店舗を介護施設に活用することについて提言させていただきたいと思います。これはもちろん地域の皆様の意向が一番であり、また、名乗りを上げる事業者等がいなければ、なかなか話は前に進まないことですが、だれかが一石を投じることで介護制度がより充実する方向に向かえばと思って、提言させていただくものです。 1つには、現在、前沢にある7つの小学校を、今、1校にすることで進められております。現在建てられている7校の場所以外のところに統合された小学校が建てられることで進められておりますことから、7つの校舎が空き校舎となります。平成26年4月開校予定の統合前沢小学校は、介護保険事業の第5期の計画年度に入ります。いきなり5期にということは難しいとしても、ちょうどその視野の中に入ります。もちろん耐震化や、目的別に使うことによる間取りの違い等もあり、どの程度使えるかは全く未知数ですが、まだ新しい校舎もあり、少なくとも新築するよりは初期投資が少なくて済むこと、それは入所者の負担の軽減、それから公費負担の軽減につながる大きなメリットがあると考えられております。また、県でも、在宅における待機者に対する受け入れの体制が追いつかない現状に対して、対策に乗り出してきております。地域密着型の特養ホーム建設に対し、補助対象の枠を広げ、空き校舎等に補助を広げるというような報道もあります。また、前沢では、JAで廃止した支所を介護施設にリニューアルさせ、前の建物からは想像もできないぐらいすばらしい施設に生まれ変わり、地元では大変喜ばれている実態もあります。また、雇用も生まれております。水沢区等にもこのようなJAの施設で、まだまだ新しい施設が残されているところもありますし、また、胆沢区でも中学校の統合の話も出ております。そんなところにも目を届けていただきまして、中長期にこの介護保険事業計画を立てる時期ではないかと思いますので、その対策を伺います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 関笙子議員の2件目のご質問にお答えをいたします。 質問の順番を変えて、前沢小学校等、公共施設の活用の提言の部分のほうからお答えをさせていただきます。 特養ホームの入所者待機の解消について、1つのご提言をいただきました。今年度の調査では、749人の申し込み者数となっており、その関係するケアマネ事業所などにその方の状況について追加調査をしたところ、554人分の報告がありました。そのうち、早急な入所が必要な方が242人と、昨年度の調査を64人も上回っておりました。現在基盤整備を進めておりますが、入所待機者の全面的な解消等はなかなかいかないのが実情であります。その状況に応じたサービス利用が可能となるよう、介護基盤の整備を含め、第5期計画において検討してまいるということでございます。 ただいまご提案のありました、前沢小学校などを活用した特別養護老人ホームの設置についてでありますが、いくつかの問題点もあるのかと思っております。例えば施設基準を満たすよう施設を改修する費用がかかること、学校とは用途が異なることから、浴室、居室、トイレ、食堂、機能訓練室、消火設備など、生活に必要な設備を整備しなければなりません。多額の改修費用が必要になると予想されます。また、そのほかにも種々の問題点がありますが、ご質問の趣旨、ご提案の趣旨に賛同できる部分も多々ありますことから、第5期計画においてしっかりと検討してまいりたいと、このように思います。 なお、第5期の介護基盤整備は、国の交付金制度に基づき整備を行うこととなりますが、対象事業として、地域再生の観点も踏まえ、空き家、空き店舗などの地域の既存資源の有効活用に留意することとされており、既存施設でも基盤整備は可能です。しかし、県の介護基盤整備に係る補助事業については、平成23年度において終了となりますので、第5期に活用することは、現状ではできないのかなと思っております。今申し上げましたように、いずれ、ご提案の部分の内容は私とすれば、本当にアイデアというかいい方法だと思います。そして、国のほうもそういうふうな部分を許す方向になりつつあるということでございます。何らかの形で、限りある資源をいかに有効に使っていくかということで努力してまいりたいと思います。 現状についてでありますが、第4期介護保険事業計画の進捗状況についてお答えをしたします。 平成22年度は、水沢区に認知症高齢者グループホームを18人分、江刺区に小規模多機能型居宅型介護拠点を1カ所、認知症高齢者グループホームを9人分、小規模特別養護老人ホームを29人分整備することとしており、現在建設に着手した事業者もあります。ことし12月から来年の3月までに、今申し上げたところは開所する予定であります。 平成23年度の整備については、整備事業者の選定が終わり、来年度の県補助金の内示を受け次第、整備に着手することとしております。また、整備事業者の決まっていない胆沢区の認知症高齢者グループホーム18人分と衣川区の認知症高齢者グループホーム9人分につきましては、複数の事業者からの問い合わせがあり、応募の意向が寄せられておりますので、計画どおり整備を行えるものと、このように考えております。 以上であります。 ○議長(渡辺忠君) 9番関笙子さん。 ◆9番(関笙子君) ありがとうございます。第4期の計画、胆沢、衣川は、何か断った業者があるというふうに聞いておりましたが、その辺を確認したいと思います。 それから、やはりこの介護保険制度は、保険料がどんどん上がると。今言ったように待機者が全部入れないというふうな、サービスがうまく機能していないというふうに思っている方も多くありまして、制度の意義、趣旨という根幹にかかわる課題に直面していると私は思います。事実、奥州市の第4期計画の最終年度は、たしか介護保険料は所得が同じであれば、どの区でもだれでも全員保険料が上がる計画になっていたと思いますが、ここを確認させてください。 それから、結局は奥州市の介護保険給付費の準備基金、21年度決算で6億3,500万円ほどになっていると思いますが、これは前にもちょっと説明があったような気がしますが、今後この基金、どのようになっていくのか、どのように流れていくのかをお伺いしたいというふうに思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) ただいまご質問のございました、胆沢、衣川の業者のこと、それから保険料がどうなっているのか、あと基金の関係につきましては、担当部長のほうからご答弁を申し上げます。 ○議長(渡辺忠君) 大沼健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大沼一裕君) 3点のご質問をいただきました。 保険料と基金につきましては、担当課長のほうからご答弁申し上げたいと思います。 まず1点目の、胆沢と衣川の、断った業者があるというようなご質問でございますけれども、衣川につきましては手を挙げた業者がいなかったということでございますし、胆沢区につきましては、1法人が手を挙げましたけれども、建築を予定している建物でございますが、既存の施設の2階部分に建設をしたいという意向でございました。ただ、グループホームの火災等で多数の死傷者が出たというようなことがございまして、その関係で2階部分については建設をすることについて危ないというようなことで、取りやめたというような経緯でございます。 以上でございます。 ○議長(渡辺忠君) 大内長寿社会課長。 ◎長寿社会課長(大内薫君) お答え申し上げます。 保険料につきましては、3年間決まった額が定まっておりますので、各地区ごとに若干ばらつきがございますので、それを整えるということはございますけれども、全体の保険料自体が変わるということは、3年間はございません。 それから、基金につきましてですが、計画では6億510万円を平成21年度から23年度までに分けまして、それぞれ取り崩ししていく予定でございましたけれども、ご質問にございましたとおり、21年度につきましては施設整備等が行われなかったとか、それ以外にいろいろな要素がございますけれども、それで取り崩し額は大幅に減っておりまして、ただし、先ほど市長がお答え申し上げましたとおり、施設整備が始まりますと、その部分についてのはね返りといいますか、利用料等の増額は考えられますので、そちらのほうに基金の取り崩し額が多くなっていくのかなというふうに考えております。 ○議長(渡辺忠君) 9番関笙子さん。 ◆9番(関笙子君) ありがとうございます。 今、胆沢のほうの関係は、構造上のいろいろなあれがあったようですけれども、やはりもうけがもちろん見えなければ業者は引き受けないわけですので、その辺の、いわゆる試算があって、私は空き校舎の活用などもご提案申し上げたんですが、もちろん、整備上いろいろ浴室をつくったり、いろいろあると思います。でも、これはきちっと私は、話だけではなくて試算すべきです。試算してどうなのかというところを、何も空き校舎というか空き店舗があるのに、やはりまた新しくお金をつけて、借金を背負って基金を使ってやることはないんじゃないかと私は思います。でも、よく話では、浴室つくらなければならない、こうだああだというお話は聞きますけれども、きちんと数字で精査してみるべきだと私は思いますので、そこをきちっとやってみてくださいということでございます。それからやっぱり衣川さんで業者がいないというのも、やはり整備基金が、業者負担が多いからです。多いんです。積み立てがない業者にはなかなか入れないというところもありますので、介護保険料を払いながら、入るところに入れないという現状をいつまでも引きずっていいのかということです。それから、どんどん高齢化をすることがわかっていながら、いまだに4期の23年度までの事業を、いまだに右往左往していることが、私はとても歯がゆいといいますか、ここはきちっとやっていただかないと、すぐに5期が来ます。5期以降はものすごい高齢者ふえます。そのことを認識していただきたくてお話をしているわけです。どうですか。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 議員ご指摘の部分のところは十分によくわかります。これからどんどん高齢化率はふえてまいりますし、私の認識では、今から45年後の2055年というのは、日本の人口が9,000万人を割り込んで、何と65歳以上の人口の方が40.3%になると。そういうふうな部分の人口移動が、現実に目先にあるというふうな中で、今できることをしっかり対応していかなければならないという強い認識は持っているところでございます。いずれご指摘がありました部分におきましても、できるだけ経費をかけずに、経費がかからないということになれば保険料にはね返る部分も少ないということでございますので、できるだけ有効な資源を利用しながら、快適な、ないしはしっかりとした施設を整備するように心がけてまいります。 詳細の部分については、補足的に部長から答弁をいたさせます。 ○議長(渡辺忠君) 大沼健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大沼一裕君) それでは、衣川区の今後の施設の整備に関する状況につきまして、ご説明をしたいと思います。 衣川区につきましては、手を挙げた業者がいなかったということで先ほどご答弁申し上げましたけれども、一応、こちらのスケジュール的には、ことしの10月上旬に公募をまず行いたい。これは衣川区、胆沢区になろうかと思います。11月30日が公募期限というようなことで、12月下旬に奥州市地域密着型サービス運営委員会から意見を聴取いたします。そして、平成23年の1月中に整備事業者の内示を行いたいということでございます。いずれ今の段階で、整備をいたしたいと業者さんからの手が上がっておりますので、早い段階で進めていきたいと思いますし、非常に期待をしておるところでございます。 ○議長(渡辺忠君) 午後2時10分まで休憩いたします。               午後1時53分 休憩---------------------------------------               午後2時10分 再開 ○議長(渡辺忠君) 再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を行います。次、8番菅原哲君。     〔8番菅原哲君質問席へ移動〕 ◆8番(菅原哲君) 8番菅原です。 通告に従い、経済不況対策について市長にお伺いします。 今の日本は、非常に厳しい不況の中にあることはだれでもご承知のことでありますが、この不況の原因を私なりに考えてみました。文芸春秋の昨年9月号に、あるエコノミストが、ユニクロ栄えて国滅ぶ、と題した論文を掲載しました。詳細は割愛しますが、端的に言えば、安売り合戦は日本経済の破綻を招くということでありますが、このことに異議を唱える方々もおりましたが、しかし、私はそのとおりだと思っています。政府や日銀は、不況の原因は内政には関係なく、サブプライムローンだとかリーマンショックに関連するものなどと外部要因を挙げていますが、私は、平成に入ったころからの、ダイエーやユニクロなどに代表される価格破壊商法に起因することが大きいと思っています。昭和時代の後半には、弱電やアパレル関係などの多くの企業が当市にもたくさんあり、農家の嫁さん、娘さんなどを含め、多くの方々が給与という恩恵を受け、比較的豊かな生活を営むことができ、また、年金にも寄与することになったと思っています。しかし、この価格破壊の影響、つまり国内生産はコスト高となり、各企業は海外移転生産にシフトをしてしまいました。それに伴い、1戸当たりの所得は確実に減少し、消費の低迷を生み不況に陥ってきたと、こういう一因になっていると思います。 この間、政府は海外移転対策など何の手だてもせず、さらには不況が世界初といわれるデフレを誘引し、長期の景気低迷を生んだものと確信しております。また、景気の低迷は低金利政策の継続を意味し、今のゼロ金利政策の継続により、日本全体で1,400兆円と言われる金融資産の利息収入、平成元年ごろには70兆円ぐらいあったと思いますが、現在は50兆円くらいが減収となり、消費の減収に拍車をかけた形となっております。政府としては、思い切った大胆な経済政策を打たない限り、この不況からの脱却は相当難しく、このごろの円高も手伝い、さらなる低下も懸念されます。この厳しい経済環境の中で、不況に関連する対策について2点の質問をさせていただきます。 まず、1点目。雇用対策について伺います。 当市における雇用環境などの実態を市としてどのように把握しているか。また、企業への要請行動など、具体的な対策はどのようになっているかお伺いします。 2点目は、離職者生活対策についてです。 当市における離職者の実態をどのように把握しているか。また、離職者生活安定資金融資制度、さらには離職者対策資金、利子補給制度の利用状況についてお伺いしたいと思います。 以上であります。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 菅原哲議員のご質問にお答えをいたします。 まず、1点目の雇用対策に関するご質問でございますが、当地域の雇用情勢は、自動車関連産業や半導体関連産業を中心に回復の兆しが見られるものの、景気回復のおくれにより、依然として厳しい状況が続いていると、このように認識しております。7月の有効求人倍率は、岩手県全体では0.44倍等、徐々に回復傾向を示しておりますが、水沢公共職業安定所管内は0.32倍で、昨年1月の0.3倍前後の低い水準で推移しております。また、新規求人の雇用形態も臨時採用が中心で、正規採用は1割程度にとどまっております。市といたしましては、毎年県南広域振興局及び水沢公共職業安定所と連携し、商工団体や企業団体を通じて雇用の維持、正規雇用の拡大、新規高卒者の採用について要請をしており、ことしも6月に実施したところでございます。また、8月下旬には、新規高卒者に対する求人が、昨年以上の厳しい状況が想定されますことから、県南広域振興局と水沢公共職業安定所、金ケ崎町との連名で、約390の事業所に対して新規高卒者の積極的な採用をお願いしたところでございます。 求職中の市民に対しましては、本庁と各総合支所に設置している総合相談窓口や、定期的に開催しているワンストップサービスで、関係機関と連携しながらさまざまな相談に応じるとともに、ふるさと雇用再生特別基金事業や、緊急雇用創出事業を実施し、雇用の創出に努めているところでございます。 2点目の離職者の生活対策に関するご質問でございますが、先ほど述べましたとおり、有効求人倍率が低く、何度も面接を受けたが就職できないとの声が多く聞かれます。これは、新規の求人者数が大きく増加していないにもかかわらず、求職者全体では4,000人を超える人数で推移していることもあらわれております。また、相談窓口に訪れる方の中には、1年以上前に離職した方も多く、離職の長期化が懸念されているところでございます。市では、離職した市民の生活安定対策として、昨年5月に離職者対策資金利子補給制度を創設しておりますが、現段階で利用実績は、残念ながらございません。この制度は県の制度資金であります離職者対策資金を利用した、市民に利子と保証料を補給するものであるが、保証人がいないことなどから、保証人が必要であるということから、県全体でも利用が少ないとのことであります。また、ことしの3月に離職者生活安定資金融資制度を創設しましたが、これにつきましても、現時点では利用実績はありません。これは、離職者の理由が倒産、または事業主都合であること、離職後1年以内であることなどのほか、社会福祉協議会で貸し付けしている生活福祉資金の要件緩和も1つの要因ではないかと考えているところでございます。これらの制度につきましては、ホームページや広報への掲載、窓口相談などでお知らせしておりますが、今後につきましても職業安定所やいわて求職者総合支援センターなど、関係機関の協力を得ながらさまざまな機会をとらえ、一層の周知に努めてまいります。 取り扱い金融機関についても一応お話しさせていただきます。取り扱い金融機関につきましては、事業主都合による離職に伴って住居を喪失した方に対して貸し付けを行う国の就職安定資金や、県の離職者対策資金など、離職者や勤労者に対する制度資金のほとんどが、労働金庫の協力下のもとに実施されておりますことから、市の離職者生活安定資金においても、東北労働金庫を窓口にしているものでございます。なぜこの話をしましたかというと、実はもっと金融機関が幅広くあれば、借りやすいのではないかということも、実はご質問の趣旨を伺って調べたところでございますが、いずれ、今お話ししたとおり、ろうきんでしかなかなか扱えないということで、制度の要件も厳しいし、なおかつ貸し付けの具体の窓口の金融機関も、そういうところに限られてしまっているという、そういうふうな要件もあるのかなということでお話をしているところでございます。いずれ、そのような形の中で制約があることは十分に理解しているところでございますので、何らかの形でより借りやすい方法がないか、そのことについては十分検討してまいりたいと、このように考えているところでございます。 ○議長(渡辺忠君) 8番菅原哲君。 ◆8番(菅原哲君) 再質問をさせていただきます。 先日、産業経済常任委員会で奥州商工会議所と懇談をしました。その席上、平成22年7月の奥州市景気動向調査報告書をいただきました。ここにございます。この調査は、前沢商工会員を含めた全事業所の中から、業態、規模を勘案して抽出した500事業所を対象としたもので、回収率61%、305の事業所の回答結果をまとめたものでありまして、DI、ディフュージョン・インデックス、いわゆるよいから悪いを引いた結果です。これを数値であらわしたもので、マイナスが大きいほどよくないということなんです。それによりますと、在庫DIが改善を見せたほかは、業況判断、売上高、営業利益、資金繰り、借り入れ状況の各DIとも、すべて悪化となっております。この在庫DIが改善したというのは、仕入れを調整していると思います。したがって、必ずしもいい結果ということではないと、このように思います。業種別では、卸商業、機械工業、食品繊維、専門建設で若干の改善の兆しが見えているが、小売、総合建設、運輸、金融保険不動産、宿泊飲食、理美容サービスでは悪化となっている。この動向調査のときに行った、参考調査の雇用関係では、現在の従業員数が多いと答えたところが59事業所、19.9%。適正と答えたのが205事業所、69.3%。少ないと答えたのは32事業所、10.8%でした。また、採用計画では、予定ありと答えたのが39事業所、12.8%。予定なしが187事業所、61.5%。未定が78事業所、25.7%となっています。この結果が示すように、今後を考えてみても、非常に厳しい状況が続くと思われます。それで、市として独自の新規の起業、いわゆる起こす業、あるいは起業育成対策、こういうことが必要ではないかなと考えられますが、いかがお考えでしょうか。 また、先ほど答弁がありました2つ目のほうの離職者対策のほうの関係なんですが、やはり私も、そのろうきんしかないというそういうこと。あるいは、これもまた先ほどありましたけれども、保証の問題です。仕事のない人の保証となれば、ますます受け手がないだろう。したがって、県の保証協会の保証だけで終わりとか、こういう簡単な制度にすべきじゃないかなと、このように思います。 ご見解をお伺いしたいとお思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) まず、後段の部分でありますけれども、確かに金融機関とすれば、収入が今入ってくるめどがない方に保証人なしで貸し出しできるかと言えば、市としても一定の応援はしているわけですから、ぜひそうしていただきたいわけですけれども、なかなか躊躇されるというふうな部分は否定できないということでございます。いずれ市といたしましても、県と少しこの辺のところは協議しながら、また市の内部でも検討させていただいて、少し借りやすさをさらにつくることができないかというふうな部分は検討はしてまいらなければならないというふうに考えておりますが、いずれ、非常に難しい部分もあるのかなと。お貸し出しするということは、必ずご返済をいただきたいということが前提になるわけでございますので、その辺の部分を、どの辺までに考えればいいのかというところについて、しっかりとまず検討してまいりたいというふうに思います。 前段の部分で、ご指摘、ご質問のございました、新しく業を起こす、それから企業を育成していくというふうな部分、これは商工会議所とも深く連携しながらさまざまな機会をとりながら、起業育成セミナーの開催であるとか、ないしは起業化における心構えとか、そういうふうなセミナーは、これまでも会議所と連携しながら開催しているところではございますけれども、なかなか実効性が伴わないというふうなお声も聞いているところでございます。さらに内容を深めていくために、どのような形が必要かと、まさに今まででない新しい業を起こしていただき、それが活性化につながり雇用にも結びつくということは理想的でありますし、当市としても非常に重要だというふうに考えておりますので、関係する機関と十分に連携をとりながら具体の事業展開に向け努力してまいりたい、このように考えております。 ○議長(渡辺忠君) 8番菅原哲君。 ◆8番(菅原哲君) 最後とさせていただきますが、私が小さいころ、小さいと言っても中学生か高校生ごろだったと思いますが、まだ国道等が舗装されていない時代に、冬になると失業対策事業、あのころ、失対という言葉、私は失対という言葉は、後から失業対策ということなんだなということがわかりましたが、冬場に失業されている方とか農閑期の方々を雇って道路整備なんかをやっていたと。市の事業で市道の整備、こういうものに同じようなことの活用ができないかどうか、こういうことを1点。 もう1点は、今、結構、いわゆる職安を通しての人手集めではなく、個人のうちで急に人手が欲しくなるというのが結構あるんです。例えば、これからは秋ですから稲刈り、あるいはリンゴ等の収穫、そういうものに人手が欲しい人が、例えば市のどこかに登録をすると。それから職の欲しい人がそれを調べるとか。こういうものができないかどうか、こういうことについて、もしお考えがあればお答えいただきたいなと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) アイデアとすれば非常に、まあ急場しのぎの本当に臨時対策ということでありましょうけれども、そういうふうなことによっても働いていただいて、得ていただいた収入が生活の糧になるという意味では、とても重要だと思います。どのような形で、市における何かがないかというふうな部分、市独自の単費事業において事業を進めるという形の中で、そういうふうな経験のない方を雇いながら対応をしていくというふうな部分が考えられないかどうかを、少し検討してみたいと思います。今お話を聞きながら、最近ではないんですけれども、以前、佐藤修孝議員がお話しした、山に入って間伐とか何かというふうなことなどをすれば、自然も守れるしいいんではないかというふうなことを、この場所ではない場所で聞いたことを今ちょっと思い出しましたけれども。そんなことも含めて、経験のない方でも安全にやっていただきながら間伐をしていただいて、山を守ってCO2削減もしながら、その間伐材をチップにして買っていただくとかというふうな、そういう仕組みなどができればこれを奥州市独自の、臨時的ではなく、もう少し恒久的な対策にもなるのかなというふうなことを、今、少しイメージしました。いずれこのことをひとつ参考にさせていただいて、検討をいたしてまいりたいと思います。 ありがとうございます。 ○議長(渡辺忠君) 引き続き一般質問を行います。次、24番千田美津子さん。     〔24番千田美津子君質問席へ移動〕 ◆24番(千田美津子君) 24番千田美津子です。 私は、さきに通告しておりました雇用問題と中小企業支援、そして、子ども・子育て新システムの2点について質問いたします。 1点目は、雇用問題と中小企業への支援についてお伺いをいたします。 第1の雇用問題につきましては、ただいま8番議員の質問により、一定の対応策が明らかになりました。私は観点を変えて簡潔に質問いたしますので、よろしくお願いいたします。 1点目として、富士通マイクロエレクトロニクス岩手工場のその後の状況についてお伺いをいたします。 富士通の子会社である富士通マイクロエレクトロニクス岩手工場は、昨年の10月末、12月末、ことしの3月末、そして6月末の4回にわたる再配置という新種の悪質な首切りが行われた結果、既に727名もの方が退職され、最終的には750名くらいが退職されるのではないかと、水沢職業安定所では話をされております。しかも、そのうち330名ほどが水沢職業安定所管内の方であり、うち再就職先が決まった方は2割程度と、極めて低い状況だともお聞きしております。 そこでお伺いいたしますが、これまでの離職者の現状と、再就職及びその支援の現状について、改めてお伺いをいたします。また、今後の対応策についてもお伺いいたします。 2点目として、ワンストップサービスについて伺います。 この間、奥州市は、市独自でワンストップサービスを毎月実施され、また、日常的にも経済、雇用、総合相談窓口を設置するなど、市民の雇用不安と支援のために、県内でも先進的な取り組みがなされてまいりました。関係者のこれまでのご努力を大いに評価をいたします。しかし、先ほど市長の答弁にもありましたように、有効求人倍率はなかなか大変な状況であり、依然厳しい状況には変わりがありませんので、引き続きの支援の強化を願うものであります。 そこで、これまでのワンストップサービスの対応状況と問題点、また今後の市としての対応策について、改めてお伺いをいたします。 次に、雇用問題の2つ目として、胆江地域職業訓練センターの存続と今後の対応策についてお伺いをいたします。 民主党政権による事業仕分けにより、厚生労働省が今年度末で廃止を決定した胆江地域職業訓練センターでありますが、この地域の雇用問題が最大の課題となっている中で、再就職支援のための職業訓練は必要不可欠なものであり、また、その一翼を担っている職業訓練センターの廃止などは言語道断、雇用対策に逆行する許されない暴挙であります。その後、雇用・能力開発機構は、土地を所有している地元自治体に無償譲渡する方針を決め、先月16日に県あてに通知がなされたと聞いております。これにより、11月までに地元自治体が譲り受けるかどうか意向調査をした上で、無償譲渡する方針だと聞いております。 そこで質問いたしますが、1点目として、職業訓練センターの存続について、市長はこの間、県などに対しさまざまな働きかけや要請を行ってきたものと思いますが、現時点での到達点、今後の見通しについてお伺いをいたします。 2点目として、職業訓練センターの利用の現状について伺います。雇用・能力開発機構が地元自治体への無償譲渡の方針を固めているわけですが、胆江地域職業訓練センターの利用の大半が奥州市民なのでしょうか。そうであれば、やむを得ない部分もあるのですけれども、その利用は金ケ崎町を含む県南広域での利用であるとお聞きしておりますが、実態はどうなのかお伺いをいたします。 3点目として、もし奥州市が運営を担うことになれば一体どれだけの財政負担が将来的にも必要となるのか、この点についてもお伺いをいたします。 質問の第3は、中小企業支援と中小企業振興基本条例の制定についてお伺いをいたします。 私は、雇用を守る上で、中小企業対策を抜本的に強化することが重要だと考えます。県内の中小企業は、事業所数で99.8%、従業員数で89%を占めています。まさに、県内中小企業は地域経済の柱であり、県内の雇用を守る大黒柱の役割を果たしているのではないでしょうか。地域経済の圧倒的部分を占め、地域に根差して再投資を繰り返し、地域に雇用と所得を生み出す中小企業や農家、NPO、そして自治体が量的にも質的にも地域内で再投資をする力量をつけていくこと、そのために地方自治体が系統的に地域における連携体制を強めていくことが、今必要ではないかと考えるものであります。 そこで質問ですが、1点目は、市内の中小企業の現状についてどのように把握されておられますか。改めてお伺いをいたします。 2点目は、中小企業を支援するため、市としても中小企業振興基本条例を策定する考えはないか、伺います。 これについては、全国では既に68自治体で中小企業振興基本条例などが策定されており、自治体と中小企業の経営者、業者の共同の努力が積み重ねられ、そこで地域の個性に合った政策が次々と創造されて、その政策効果も高まってきていると言われております。なぜ個別の産業振興施策や産業振興ビジョンだけでは不十分なのかと言えば、個別施策よりも条例のほうが自治体としての法的な拘束力、強制力が強いということにあります。担当職員や首長などの交代があった場合でも、自治体として決めたことは責任を持って継承、実施されることが重要であり、そのための最大の保障が条例の制定であります。先月初め、当奥州市議会産業経済常任委員会は、墨田区の中小企業振興基本条例について行政視察を行い、じかに学んできたところでありますが、墨田区は全国に先駆けてこの条例を制定し、産業振興会議を設置し、物づくり、人づくり、まちづくりを具体化した、まさに条例に魂を入れて頑張ってきた先進地であります。また、3年前に条例を制定した北海道帯広市や千葉県の条例は、その水準も高く、中小企業の当事者や、中小企業団体も参加する形で具体的施策を策定しており、条例を生かす取り組みがなされております。また、帯広市では、地域金融機関が施策づくりに積極的に参加しており、中小企業への資金供給も積極的に行っていると聞いております。このように、自治体が中小企業団体との協働を進めるだけではなく、地域金融機関との協働によって、相互連携を図る体制ができれば、より効果的な地域づくりを展開することができると注目されております。今、中小企業は、経済危機と不況のもとで、下請単価の切り下げと仕事の大幅な減少、売り上げの減少という三重苦の中にあって、困難な中でも歯を食いしばって雇用を守っております。融資だけではなく、経営支援、技術支援、人材育成支援とともに、固定費補助など、総合的な支援も求められます。これらのことからも、今こそ奥州市も条例化に向け、足を踏み出すときではないかと考えますが、市長の見解を伺います。 以上で、1件目の質問といたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。     〔市長小沢昌記君登壇〕 ◎市長(小沢昌記君) 千田美津子議員のご質問にお答えいたします。 質問が多岐にわたり、また、項目も多いことから、私からの答弁については概括的な部分の答弁とさせていただき、詳細については、引き続き担当部長のほうからご答弁させていただきますので、ご了解をお願いいたします。 まず初めに、富士通セミコンダクター関係の部分でございますけれども、概要的には事業再編により、約700人の従業員の方が希望退職という形で退職されたようでございますが、これまでに約3割の方が再就職をされたということでございます。その部分についても、詳しくは担当のほうからお話をさせていただきます。いずれこのことについて、所感についてはお尋ねではございませんでしたけれども、奥州市にとっても多くの人たちが職を失うということで、大きな問題であるなというふうな認識は持っているところでございます。 市といたしましては、求職者の相談に応ずるため、本庁と各総合支所に総合相談窓口を設置しているほか、昨年12月から市独自に求職者ワンストップサービスをメイプル地下におきまして毎月開催しております。これまでに125人、毎月16人程度の方が訪れ、179件の相談に応じてきたところでございます。相談内容については、生活資金に関するものが最も多く、次いで就職、職業訓練、生活保護の順になっております。また、受付でそういう制度があることを知らなかったという相談者も多く、2人に1人は複数の相談を行っており、ワンストップサービスの効果があらわれているものと考えております。今後におきましてもワンストップサービスを継続して開催するほか、企業などに対して雇用の維持、確保、正規採用の拡大を繰り返し要請するとともに、ふるさと雇用再生特別基金事業や、緊急雇用創出事業を活用し、雇用の創出に努めてまいりたいというふうに思います。これが、ワンストップサービスの関係の部分の答弁とさせていただきます。 大きな部分の2点目として、胆江地域職業訓練センターの存続と今後の対応策についてのご質問がございました。平成22年度で職業訓練センターを廃止するという方針が、昨年暮れに国から示されました。以来、市としましては、県や関係市と連携し、国による運営継続を1月に要望しましたし、2月に商工団体や職業訓練協会と対策連絡会議を開催し、施設の存続方針を確認したところでございます。その後、国の具体的な譲渡条件の早期提示を求めておりましたが、地域職業訓練センター等の譲渡などに係る基本方針について、通知が5月に、施設は譲り受けの意向がある地方公共団体に譲渡するとの通知が7月に示されております。これを受け8月4日に関係市と一緒に、市ではなく県による譲り受けを県知事に対して直接要望をいたしました。知事からは、施設が設置されている市での譲り受けが適切との回答を受けたところでございます。また、8月19日には、独立行政法人雇用・能力開発機構から胆江地域職業訓練センターの譲渡価格を無償とするという通知を受けております。これまでの経過から、国による継続運営や県による譲り受けが困難な状況になってきておりますが、国が譲り受けの意向確認の期限とする11月末までに施設の望ましい運営主体のあり方を検討してまいります。また、市が譲り受ける場合においても、今後想定される大規模改修や取り壊し等の費用に対する財政支援を、国や県に強く要望したいと考えております。現在の厳しい雇用情勢の中、在職者の技能向上や再就職に備えて資格取得を目指す求職者を支援する面からも、職業訓練センターの機能を維持することを第一に、関係市と情報交換しながら取り組んでまいりたいと思います。 3点目は、中小企業を支援するため中小企業振興基本条例を制定してはどうかというご質問でございます。 いずれ私の認識とすれば、非常に景気が悪い中で、日本中至るところの中小企業が本当に悲鳴を上げんがばかりの苦労をし続けておられるという認識をしておるところでございます。中小企業振興基本条例は、当初は多くの中小企業が集積している東京の特別区を中心に制定されましたが、最近では、大阪や北海道など全国に広がってきております。市町村レベルでは、東北で2つの市、そのうち岩手県内では、昨年8月に一関市で産業振興基本条例の名称で制定されております。条例制定の背景には、円高やバブル経済の崩壊など、経済情勢の変化の中、変化というよりも悪化ですね、の中で、製造業や商業などの中小企業が減少、中小企業の減少が地域経済や地域社会に影響を与えることへの危機感があるとされております。条例の内容は、自治体の政策を具体的に示すものではなく、政策の方向性や、自治体が中小企業振興に意識的に、あるいは積極的に取り組もうとする姿勢を明確にするもので、いわゆる理念条例の性格を有しておる条例が多いように見受けられます。中小企業が地域経済、地域社会を支えており、中小企業の振興が市民生活の向上にかかわるものと認識しておりますことから、条例の有無にかかわらず、奥州市といたしましては、中小企業に対して、経済情勢の変化に適切に対応した施策を実施していかなければならないものと考えております。また、他市の条例では、中小企業振興策を推進するため、審議会や振興会議などの設置を規定している面も見受けられますが、奥州市においては、商工業振興審議会や、農林審議会などを設置しております。これはまさに具体的にどのような形で支援すればいいか、市としてのあり方をしっかりと諮っていただく審議会でございます。まずは、これらの内容を充実させながら、中小企業の振興に向け積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますし、また、今ほど申し上げました審議会、あるいは関係する団体と、この条例のあり方についてなど検討を深めてまいりたいと、このように考えております。 ○議長(渡辺忠君) 菊池商工観光部長。 ◎商工観光部長(菊池寛君) 千田議員さんのご質問で、細かい数字の部分になりますけれども、富士通マイクロエレクトロニクス、4月から富士通セミコンダクターという社名に変わりまして、市長の答弁にもありましたとおり、離職された方々、約700名ほどの、先ほどの千田議員さんのほうからは水沢管内の方々につきましては2割程度ということで、全体では3割程度の方が就職されたということで、水沢の職安のほうから伺ってございます。離職者に対しまして支援という形で先ほど千田議員さんのほうから、10月からことしの6月まで、4回に分けて退職、いわゆる再配置ということが行われたということで、10月から3月のこの間におきましても、北上、金ケ崎と一緒になりまして、離職者へのいろんな諸制度の変更手続等の説明会を行うなどして、一応、離職者の方々にはいろんな形で支援をしてきたところでございます。 あと、先ほど次のワンストップサービスの関係でございますが、ワンストップサービスについての問題点ということでのご質問がございましたが、ワンストップサービスについては、先ほどの市長の答弁の中でも、こういう制度があることを知らなかったということで、ご相談に来られた方々がそういう感想を持たれております。ですからやはりワンストップサービスだけではなく、ふだんからいろんな制度があるということを各総合支所にも窓口を設けてございまして、もっといろんな形で離職者の方々に周知する方法を進めていきたいと考えてございます。 続きまして、地域職業訓練センターの件でございますが、利用状況ということで、具体的な数字、21年度の実績で申し上げますと、認定職業訓練ということで、県のほうからの委託を受けて事業を行っている部分がございますが、それの実績人数が128名でございます。ただ、奥州市はそのうち68名ということで、5割強ということで、あとは一関市とか北上市、金ケ崎町とかその他になるということで、議員ご指摘のとおり、まさに広域的な利用をされている施設でございます。 あと、この施設をもし市が譲り受けした場合の、市の財政的負担は幾らなのかというご質問がございましたが、この件については具体的に試算はしてございません。現実的に、今のセンターの運営というのは、いろんな事業の補助金、受託事業の中で運営の部分が入っているということで、直接運営補助という形の明確に出ているものが、ちょっとないと聞いてございます。今後、実際の運営をしております職業訓練協会さんのほうから実際の実績等を聞き取りしながら、財政負担については明確にしてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(渡辺忠君) 24番千田美津子さん。 ◆24番(千田美津子君) 若干、再質問させていただきます。 まず、富士通の問題ですけれども、退職者が非常に多いということで、実はその退職者の中で非常に気になった話を、この間職安に行ったときに聞いてまいりました。というのは、まず、昨年の10月末で退職された方々も間もなく1年になるわけです。ですから雇用保険が切れると。そういう中で非常に焦りが出てきているということを聞きました。3割ということですが、3割を切っていると私は実際見て思ったのですけれども、いずれそういう実態の中で、間に会社が入っていろいろ相談にも乗っているようですが、引き続きそういう部分の支援が必要だなというのと同時に、退職された方の中に障害者の方も17名退職されて、うち再就職が決まった方がたった2名だというふうに伺っております。全部の方が大変なんですけれども、ただ、より障害者の方については心を配る必要があるのかなと。これは富士通サイドだけではなくて、行政もぜひそういう情報も含めて、これについては特段の支援をお願いしたいなと思います。 それから、ワンストップサービスの状況なんですが、ちょっと表を見せていただいて、相談者が50代が最も多いということで、50代、40代、30代、60代、70代もいらっしゃるんです。ですから相談内容も、生活資金の問題が非常に多いと、市長の答弁にもありましたが、そういった点では、先ほど8番議員の質問にもあったように、より借りやすい生活資金の手だてが、私も重要だと思いますし、また部長の答弁にあった、そういういろんな市のサービスがあるということの周知を、やはりいろんな形で頑張ってもらっているんですけれども、より市民の実態は大変だということで、さらにそういう手だてをお願いしたいなと思います。 それから胆江地域職業訓練センターについてなんですが、知事が、所管する市町村が適切だという発言をしたというのは、情報として聞いておりますし、きのうの地元紙を見て私も驚きましたが、広域の統一要望の中で、県南振興局長が、県が運営することはできないと、もう断言しているわけです。そしてその後の答えが、解体する場合は応分の負担を国に要望したいみたいなことが記載されてあったんですが、その解体ということがいとも簡単に局長の口から出てきたとすれば、私は大変遺憾だなと。今、関係市が、本当に市長が言われたように機能を維持していきたいと。今のこういう雇用情勢の中で、機能維持を何としてもやりたいと言っているときに、解体のことがすぐ出てきたとすれば、この報道が本当だとすれば、私は大変遺憾だなと思いますし、職業訓練については、自治体というよりも、県や国が第一義的に担うべき仕事でありますので、もう、市町村が欲しければくれてやるよというようなことではないということを、11月という期限も近づいてはおりますが、ぜひ関係市と連携して、要望を強めていただきたいなと思います。 それから、県がかかわる問題でありますので、できれば私は地元の県議との連携といいますか、これが私は重要だなと思っているんですけれども。ただ、先月共産党の斉藤県議が盛岡から調査に入っていただいたときに、残念ながら地元の県議さんの姿が余り見えていないという担当部のお話も伺いましたので、私はやっぱり、広域的利用がなされている、そして重要な課題でありますので、地元の県議の方々にもぜひ頑張ってもらわなければならない課題だと思いますので、そういう連携についても、あわせてお伺いしたいなと思います。 それから最後の中小企業振興条例については、市長は、さまざまな審議会を設置しているので、これらを充実をさせながらという答弁でありました。そうなるのかなとも想像はしておりましたが、今、よその振興条例をつくったところを聞きますと、何がよかったかというと、市の担当職員と中小企業の方々がお互いの理解を本当にすることができて、そういう中で一つの大きな目標をつくることができた。だから、よりこの中小企業振興条例ができたことによって、次のステップへの共同作業がどこの自治体も進んでいるという、そういう評価というかが聞かれます。私は今、さっきの8番議員の雇用問題での質疑を聞いていて思ったんですけれども、地元の中小企業に、それこそ雇用をお願いするだけではなくて、やはり、そういう中小企業の皆さんが、今何を本当に悩んでおられるのか、そういうのを一緒に聞き取りをしたり、そういうことを現実に担保する上で、この条例が非常に有効だと私は思います。東京の墨田区が、実はこの条例をつくる段階で、係長級以上の職員が全職員が、全部の中小企業を回っていました。これが非常にいい成果を上げているということで、私もこれは見習うべきではないかなというふうに感じましたので、その点、もう一度お伺いしたいと思います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長
    ◎市長(小沢昌記君) 3点でございます。 まず、富士通の分につきましては、障害をお持ちの方がいらっしゃるので、この部分については特段の配慮をすべきだということ、それから50歳代が、家計を支える中心的な世代の方がお仕事がなくて困っているので、生活資金など制度資金がある部分については、より借りやすくすべきだということなどのご指摘とご質問でございました。いずれ市としては、対応できる部分のところはしっかりと対応してまいりたいと思いますし、例えば生活資金の部分につきましては、先ほど8番議員にも申し上げましたとおり、非常に状況はわかるのですけれども、しっかりとそういうふうな部分でお貸し出ししたものが対応できるというか、ご返済も含めて、できるような部分の状況をきちっとつくりながら、何もその出さないというのではなくて、その状況を広く市民の皆さんにもご理解いただきながら対応できるような方法がないかということで、考えてまいりたいと思います。 職業訓練部分につきましては、いささか新聞で誤解があるような表現でした。実はやりとりの中で、過日、振興局長あてに要望書を持っていった中に、県で面倒を見てほしいという要望をあえてしておったわけでございますけれども、議員ご指摘のとおり、県では所在する市町村が、たとえ広域の利用であるが、県で持つよりはその所在地の市、町が、まあ市が持つべきであるというふうな一定の見解、かなり強い見解を示されておったものですから、決して我々の意向を引き下げるものではないということを、いずれやっぱり県なんだという話をした上で、実は登壇してもお話をしましたけれども、万やむを得ず市がという場合であれば、当然譲り受けさせていただく条件、無償などということではなくて、現状における取り壊し費用、改修費用みたいなものを、基金として先払いで我々のほうにお渡ししていただけないかというふうなお話をしたわけであります。わかりますよね。要するに、今現状使えるんです。それで、彼らの論理とすれば、これは残存価格で何千万円の価格があるから、それを市に差し上げるということでありますけれども、我々とすれば、それを壊すつもりも何でもなく、今後とも安定的に運営していきたいと。とすれば、当然改修やら、ある意味では建てかえをしていくというふうな場合において、取り壊しも当然出てくるだろうということなので、前段として、そこを維持、運営するために、例えば一つの目安として取り壊しする、現状における取り壊し費用がこのぐらいであれば、そのぐらいは事前に基金として我々はきちんと担保して、そのために使うから、そういうふうな運営資金の一部と言ったらいいんでしょうか、そういうぐらいまでしてもらわないと、やっぱり市としては受けられませんよ、というお話をしたことに対するご回答というか、コメントがああいうふうな形で載ってしまったということでございますので、県南振興局長が、壊すことを前提になんていうことではございませんので、あえてこの場で、そのことについてはご説明をさせていただきます。 それから、基本条例の件でございます。市として対応すべきということとして、まさに議員がおっしゃるとおりであるというふうな部分は理解するものであります。そして一関市の場合は、農業も含めた形の振興条例となっているんです、商工業だけではなくて。奥州市とすれば、じゃ、二本立てにするのか、一本でいくのかということも含めてでありますし、今後、特に産業系の部分につきましては、特に商工業であれば、奥州市にある商工会議所、商工会との連携をさらに緊密にしながら、彼らの役割とともに、市がサポートしていく、ともに所属する方々に働きかけをしていくというふうな体制が、もっとも私とすれば重要ではないか、また、農林部門においては、やっぱり農協さん、ないしは森林組合さんとの連携において現場がわかる方がしっかりとサポートできる、そのための我々は側面的な、あるいは中心的な支援、あるいは率先した形での事業展開というふうなことが望ましいのではないかと、何もかにも市が、市がということで行政体が中心になるよりも、私とすれば、商工業のことは一番商工会、商工会議所がわかると。しかしながら、商工会、商工会議所も一定の部分で疲弊しているというところがありますので、これは商工会、商工会議所とともに、一緒に我々が一体となってそこの会員事業所の皆さんの元気を引き起こすような状況をつくっていくほうが、形骸化したとは言いませんけれども、基本条例、理念条例をつくるというよりも、実態に即した形のものをしっかりとやっていける、そういう手だてがないか、その部分の上において、やはり条例があれば、よりいいよねということを、私とすればつくり上げていくことが最も重要であろうと。これは、産業における農業においても同じことが言えるのではないかというふうに強く感じているところでございます。決して、中小企業がこのままでいいなどということは思っておりません。できるだけ早く、実効性のある内容の部分において元気が出るような施策をつくっていきたいというスタンスは、一切変わりありませんので、そのような形で進めてまいりたいなと思っているところでございます。 ○議長(渡辺忠君) 24番千田美津子さん。 ◆24番(千田美津子君) 条例については、今市長がおっしゃった立場で、ぜひ商工会議所とも連携を深めるという、そういう地元の業者が元気になることが非常に大事なので、そういう立場で検討をお願いしたいと思います。 一つだけ、職業訓練センターなんですが、振興局長のこともわかりました。それで11月までという期限が来ているわけですが、望ましい運営主体について検討したいという答弁があったわけですが、具体の行動で何か考えていらっしゃることがあれば、いずれ、あるかないかも含めてですが、ぜひ、もっと県に主体性を持って財政的なことも含めて、再度そういう要請をきちんとやっていただきたいなと思います。その点だけ伺います。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 職業訓練センターにおきましては、基本的なスタンスとして、もし間違いがあれば部長のほうから少し補正していただきたいんですけれども、持ち主がどこかということと、運営がどうなるかということは、大きくは連携していません。要するに、国がやっていたものを市が譲り受けたから、これからされるサービスが一気に低減化していくとかなくなるということはないんです。いずれ、委託事業を受けていろいろな形の職業訓練を実施されているという状況に、私はとらえていました。なので、いずれそれを安定的に、なおかつ広域なものですから、どこかの市だけが受け取るということではなく、みんなで支えていく。そのみんなというのは、例えば一番いいのはやっぱり国だろうと。その次はやっぱり県だろうというふうな部分のところになります。市とすれば、広域のものとして、奥州市ぐらいの規模であれば、県南に住まわれている皆さんに対応してやっていくということは、役目としては必要なのかなとも思いますが、もしそうだとすれば、少し助けてほしいみたいな部分もあるわけで、そのことも含めて11月末までが期限でございます。少なくても非常に重要な施設であるという強い認識を持っておりますので、我が市として受け取らざるを得ない場合には、少なくとも運営基金のようになるような形のものを、私どもとしてもそれをもって、責任を持って運営をできるような状況を最後まで県には訴えながら、あるいは関係市、町と連携をとって我々の主張をしっかりと述べてまいりたいというふうに思っております。 ○議長(渡辺忠君) 24番千田美津子さん。 ◆24番(千田美津子君) 2件目の質問に移らせていただきます。 2件目として、子ども・子育て新システムの問題点と今後の対応策についてお伺いをいたします。6月25日に、政府の子ども・子育て新システム検討会議が基本制度要綱を発表しました。この検討会議は、民主党政権が幼保一体化を含む各種制度、規制の見直しのために立ち上げたもので、現場や専門家からのヒアリングも各団体わずか1回ずつで、発足から半年もたたないうちに要綱を出したものであります。しかも、その中身は、子供関連の制度を丸ごと一度に変えようというものであります。関連法案を来年の通常国会に出し、2013年度には本格実施するとしており、国民や子育て世代が何も知らされないまま一気に進められようとしております。私は、すべての子供たちを健やかに育てる上で、必要な制度の見直しや検討が行われることすべてを否定するものではありませんが、その性急な進め方に大いに疑問を感ぜざるを得ません。そして何よりも、その中身が関係者などにはほとんど知らされないまま進められようとしていることに疑問がありますので、以下について質問をいたします。 まず第1は、公的保育制度が改編されるという問題であります。現在の保育制度は、児童福祉法のもとで、国と自治体が責任を持って保育に欠ける子供には保育を保障しなくてはならないとされています。その公的責任を崩してしまおうというものであります。 第2は、これまで、保育や学童保育、児童館や地域子育て支援、子ども手当、育児休業や産休の給付金など、さまざまな目的で分けられていた補助金を、まとめて子供の数などに応じて一括交付金という形で市町村に配る仕組みに変えられようとしている問題であります。 第3は、今ある保育所、幼稚園、認定こども園を、こども園として一体化することであります。しかも、こども園やさまざまな保育サービス、学童保育などは一定の基準を満たせば自由に参入できる指定制度にして、営利企業などが参入しやすくするというものであります。こうした保育の規制緩和や制度改悪は、自公政権がもともと進めてきたものでありますが、政権交代で歯どめがかかると期待の声もあったのですが、実際は逆であり、国の責任を後退させる内容と言わなければなりません。また、言葉では、すべての子供への良質な生育環境を保障とか、出産、子育て、就労の希望がかなう社会とか、あたかもすばらしいシステムができるかのように言うのでありますが、そうではないと考えます。 例えば、幼稚園と保育園をなくしてこども園にする問題でありますが、両親が働いているかどうかなどに関係なく、就学前の子供の施設をこども園に一本化しようとしているのでありますが、親が自分の責任でこども園を選んで直接契約する、そこに自治体が一定の補助を出しますよというものだそうであります。要綱では、まだ細部までは書かれておりませんけれども、自公政権下で進んでいた案によれば、親の就労状況に合わせて自治体が介護保険の要介護度ならぬ要保護度2から3区分で認定するというもので、この認定を受けたら、父母は自分で園を選んで契約し、認定された分の保育サービスを受けるものであります。もし認定より長時間の保育を受けようとすると、その分は自己負担、介護保険で認定以上のサービスを受けようとすると、全額自己負担になるのと同じであります。また何よりも、今の日本の保育園や幼稚園の職員配置や施設設備などの条件は、世界から比べると非常におくれていて低い水準であり、これを引き上げることが必要です。しかし、新システムの幼保一体化は、保育園は待機児がいっぱいだが幼稚園には空きがある。一緒にすれば効率的、幼稚園に比べ保育はコストがかかり過ぎといった発想で進められており、保育、教育条件の切り下げが心配されます。 まだまだ心配される点は多々ありますが、新システムではサービス提供は自治体に丸投げされ、お金を子供数に応じて自治体に交付するのが国の仕事の中心になります。子供の少ない人口減少地域は、今でさえ財政が厳しい上に少ない交付金しか来ません。ですから、全国どこの町で生まれても、子供たちには豊かな保育が保障され、必要な子育て支援が受けられるようにするのが政治の責任であるはずでありますが、この新システムはその仕組みを壊してしまい、地域格差を広げてしまいかねません。このようにさまざまな問題点が心配されることから、これら新システムの問題点について、市長並びに教育委員長はどのように把握されておられるか、お伺いいたします。 質問の2項目めとして、子育て環境ナンバーワンプラン後期計画の推進について伺います。 前段で述べたとおり、新システムは大きな問題を有しております。私は、子育てに優しいまちを目指す奥州市として、子育て環境ナンバーワンプラン後期計画に掲げられた施策の一つ一つが、着実に推進されていくことこそが重要だと考えます。この計画は、何よりも子育て中の保護者のニーズ調査やパブリックコメントなどで吸い上げられた市民の意向を十分に反映させているものであります。これらを着実に推進していく上で、私は国の考え方や進め方についても、必要な意見を述べていくことが重要だと考えますが、見解をお伺いいたします。 以上で2件目の質問といたします。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 千田美津子議員の2件目のご質問にお答えをいたします。 子ども・子育て新システムの部分でございます。私としてとらえている分もお話しながら、今後どうするかということを考えいかなければならないなということでございます。 子ども・子育て新システムは国において、関係大臣による検討会議で意見徴収、会議の後、幼保一体化を含む新たな次世代育成支援のための包括的、一元的なシステムとして、ことし6月に内閣総理大臣を会長として全閣僚で構成する少子化社会対策会議で、その基本方針、制度の要綱が決定されたものであります。新システムの基本制度案では、所管や制度、財源が分かれている現在の子ども・子育て支援対策を再編し、制度や財源の統合を行うほか、実施体制を一元化するための新たな省庁の創設を検討すること、とされております。具体的には、子ども手当や一時預かりなどの子育て支援、各種給付事業、保育サービスや幼児教育の提供などについては、実施主体となる市町村が地域の実情に応じた給付やサービス提供を選択して行えることとし、その財源として、これまで事業ごとに交付されていた国庫補助負担金などを統合し、子育て包括交付金、仮称でございますけれども、一括して市町村に包括的に交付しようとされているものであります。 また、新しいシステムは、保育のあり方が大きく変わる案が示されております。現行の児童福祉法では、保育に欠ける児童について市町村が保育を実施しなければならないことになっており、保育に関する手続は市町村が入所申し込みの受け付け、入所決定や保護者負担金、要するに保育料の徴収などを行っております。新システムでは、すべての子供に幼児教育と保育を提供するため、保育に欠ける要件を撤廃、幼稚園、保育所並びに認定こども園を一体化し、入所については市町村の関与のもと、利用者と保育所の直接契約とすることとしております。これにより、利用者のサービス選択が今以上に可能となるほか、近年増加している保育所入所に係る待機児童の解消が見込まれるものの、その一方で、保育施設が利用者を選択するという可能性も否定できないと思われます。また、保育料につきましては、現行では所得に応じた料金とし、奥州市では17階層を設定しておりますが、新システムにおいては一定の利用者負担が生じるとされておりますが、負担の程度がどの程度になるかは、現状においては明確に示されておりません。財源については、国の補助負担金等が包括交付金となることにより、事業の選択や給付金額の決定など、市町村の裁量により独自事業を行うことが可能となりますが、将来的に交付金制度の改正などにより、自治体の財政負担が大きくなるのではないかと懸念しているところであります。 新システムは、平成23年度に法案提出、25年度施行を目指すとされているものの、6月に基本制度案が示された以降、制度構築に係る検討状況については一切公表されていないことから、まだ具体の制度の内容が見えてこない状況にあります。今後においては、国の動きを注視しながら制度の把握に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。 まだ実態としてわからないところが多いと。悪いところだけではないんです。ただ、いいところもある。でも、果たしてどう対応すればいいのかということについては、もう少しその状況の、新しいシステムの詳細が見えてこないことには、市としても正式なコメントがなかなかできないし、対応もしにくいということでございます。 次に、子育て環境ナンバーワンプラン後期計画の推進に係るご質問にお答えいたします。 子育て環境ナンバーワンプランにつきましては、昨年度計画の見直しを行い、平成22年度から26年度までの後期行動計画として本年3月に策定したところであります。このナンバーワンプランは、毎年2回、個別の事業の実績や進捗状況を取りまとめ、少子人口対策協議会において報告を行い、プランに対するご意見、ご提言をいただいているところです。今後におきましても、現行のプランを着実に推進するとともに、国の動向を注視し、必要に応じて見直しを行うなど、柔軟に対応しながら本プランが目指す基本目標の実現にしっかりと努力してまいりたいと、このように考えているところでございます。 ○議長(渡辺忠君) 千葉教育委員長。 ◎教育委員長(千葉啓一君) 千田美津子議員の子ども・子育て新システムの問題点と今後の対応策についてのご質問にお答えいたします。 子ども・子育て新システムの制度設計上の目的は、すべての子供への良質な生育環境を保障し、子供を大切にする社会。出産、子育て、就労への希望がかなう社会。仕事と家庭の両立支援で、充実した生活ができる社会。新しい雇用の創出と、女性の就業促進で活力ある社会の実現を目指すというものであります。このような目的のもと、利用者本位を基本とし、すべての子供、子育て家庭に必要な良質なサービスを提供するという方針から、保育に欠ける要件の撤廃等を行い、幼稚園、保育所、認定こども園の垣根を取り払ったこども園への一本化が検討されていると承知をしております。現在、教育委員会といたしましても、重点施策の一つとして就学前教育を位置づけ、特色ある幼児教育の実施と幼稚園の子育て支援機能を高める体制づくりを進めるとともに、幼稚園教育及び保育所保育が共通して取り組む要点を検討し、教職員の合同研修会を実施するなど、充実を図るべく取り組んでおります。これらの取り組みを通して、就学前の幼児たちの成長における親の役割や、幼稚園、保育所等との家庭の連携の大切さが再認識されております。こども園への一本化につきましては、現在の幼稚園教育要領と保育所保育所指針の統合と、前提となる教育の見直しや、幼稚園教諭並びに保育士資格の共通化の検討等を伴い、いましばらく時間を要することも見込まれます。教育委員会といたしましては、国の検討を注視しつつも、奥州市の幼児教育が積み上げてきたよさを生かしながら、より質の高い幼児教育の展開を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(渡辺忠君) 24番千田美津子さん。 ◆24番(千田美津子君) 最後に1点だけお伺いいたしますが、今、市長、教育委員長から答弁ありましたように、まだ詳細が見えてきておりません。ですから想定の中でのお話ですのであれなんですが、ただ、制度がどちらかというと介護保険制度のように、利用者と事業者の直接契約と応益負担が制度の基本になるといわれているんです。ですから、今の、例えば奥州市のナンバーワンプランを、本当にもっと前に進めるような制度になるのであれば大賛成なんですけれども、将来的な部分が全く見えない。それから、国の段階でも、関係者との議論がすごく足りない中で始まっております。ですから、私は、今、市長、教育委員長からご答弁ありましたように、奥州市内でも関係者の、こういう新システムが検討されている段階での議論がもっと必要ではないかなと思うんです。今のナンバーワンプランを進める中での新システムが、奥州市にとってどうなのかという話し合いを私はぜひ始めていただきたいなと。でないと、来年の通常国会にという、そして来年度からできるものは始めていくということも明らかにされておりますので、みんな決まってからだと遅いので、ぜひその点は検討だけは進めるべきではないかなと思いますが、その点を確認して終わらせていただきます。 ○議長(渡辺忠君) 小沢市長。 ◎市長(小沢昌記君) 大きな制度の変化であります。ただ、一方では、例えば厚労省であるとか、文部科学省であると、子供は一人の子供なんだから、そういうふうな垣根を取っ払って、いい教育というか、就学前の子育て環境を整えてほしいということを言われていたのも現実でございます。しかしながら、そのことによって、今の制度がすべて悪いわけではなく、いいところもあるわけで、それを残しつつさらにいい方向になるためのシステムであれば、これは応援するところでございます。今、ご指摘がありましたとおり、新しいシステム、不明なところもありますけれども、関係する方々と機会を見つけて、今こういう状況にあるが、このことについてはどうかというようなご意見を伺うような、そのためだけということではなく、いろいろな部分のその他項目の中ででも、場所、論議の時間を見つけて、いずれ周知と皆さんの関係する方々の思いなどをお出しいただき、市としての一定の方向性を見出すような状況をつくってまいりたいと、このように思います。 ○議長(渡辺忠君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 次の会議は、明9月2日午前10時から開くことにいたします。 本日はこれをもって散会いたします。ご苦労さまでした。               午後3時31分 散会...